クノッソス

午前中に行くのかと思ったクノッソス宮殿は午後の訪問となりました。ガイドさん曰く、午前中は混んでいる。確かにガイドブックにも強い日差しを避けるなら午前中がおススメと書かれていた。。。クノッソス宮殿(Palace of Knossos)に到着して早々、ツアーに参加していたイギリス人の男の子が「宮殿はどこにあるの?」とガイドさんに質問していた姿が印象的でした。「今あなたが立っているところが宮殿のあった場所よ。建物自体は地震で壊れて失われてしまったの」。現代人をも魅了し、優れた文明を誇ったクノッソス宮殿は地震の被害を受け崩壊。新たな新宮殿を造営するも更なる災害により最終的に滅亡してしまうのでした。そんな遺跡を1900年に発掘したのがこの銅像の人物、アーサー・エヴァンズ(Sir Arthur John Evans; 1851-1941)。イギリスの考古学者です。


私にとって、教科書や本の上でのお話(歴史)に過ぎなかった古代文明。実際その一つに訪れることが出来てちょっと感動。日本から遠く離れた国、自分には無縁と思われた歴史、約4000年前という想像を超えた大昔に栄えた場所に自分が立っているのが不思議でした。とても暑い日でしたが、持参したペットボトルの水をちょぴちょぴ飲みながら、ガイドさんの話を聞きつつ、遺跡を見て回りました。実際に自分の足で歩いて感じるこの広さ。宮殿の建物は一部4階建ての複雑な構造をしていたそうです。見るからに複雑です。

 
 
 
柱はレプリカ。土台がオリジナル。柱は下が細く上が太くなってました。切った木を上下逆さにして使用していたためだそうです。
 
 
こちらは「玉座の間(Throne Room)」と呼ばれる部屋。想像したよりこじんまりしていた。 写真右にある石製の椅子はオリジナルだそうで。ここのフレスコ画もレプリカ。あ、この部屋だと柱の形状が分かりますね。
 
 
クノッソスで発掘されたもののほとんどは考古学博物館に展示されているそうです。だからクノッソスにあるフレスコ画はレプリカ。ちなみにフレスコ画とは生乾きの漆喰を壁に薄く塗り、それが乾燥しないうちに水で溶いた顔料で描く壁画技法だそうです。よく分かっていなかったぞ(苦笑)。イルカのフレスコ画も、左がクノッソスにあるレプリカで右が博物館に展示されていたオリジナル。写真では分からないですけど、近くで見ると実際に残されているオリジナルの部分っていうのはごくわずかなんです。はっきりイルカちゃんの形が見えているのは、こんな感じだったに違いないというイラストが描かれた上にオリジナルの一部が置かれているから。正直イラストの部分が大きい。実際何の絵なのか分からないものもありました。

 
レプリカというのは実際にこの部分にこのフレスコ画があったのかとイメージするには役立つけど、オリジナルを先に見てしまうと、やはりデザインは想像の部分が大きいのかなと思ってしまう。博物館のフレスコ画だってイラスト通り見たものを100%信じてはいけないに違いない。。。歴史的に価値の高い場所とされながら、ここは世界遺産にも登録されていなかったんですね。UNESCOのウェブサイトを見たら、どうやらアーサー君が想像をはめ込み過ぎたことが原因の模様。。。

とは言え、何でもそうですが、頭の中で想像するのと、実際行ってみるとではやっぱり違う。行けて良かった。炎天下ながら、もう少し歴史に浸っていたかったクノッソス。ちょっと去り難かったけれど、時間となり宮殿を後にしました。ツアー一行は再びバスに乗り、それぞれのホテルに戻って行ったのでした。

 

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