パンドラの箱。

世の中には運命を信じる人もいれば、運命は変えられると考える人もいる。千差万別。そもそも運命とは『人生は天命によって定められている』という思想に基づいた考え方なので、結局は、それが天命かどうかを自分で判断しているところが大きいように思います。

あなたは『運命の人』に出会いましたか?運命の人と言っても、必ずしも結ばれるとは限らない。厳密に言えば、異性、あるいは同性かもしれない。つまりはあなたの人生に何らかの影響を及ぼし続ける人物なのだと思う。

私は20代前半で運命の人に出会いました。と、勝手にそう思っている。それはその人に初めて会った時から、そして会うたびに不思議な感覚を覚えたから。俗にいう、ビビッときたとかいうやつです。理屈ではなく感覚。いろいろあって、その気持ちを封印しましたが、数年後、街で偶然再会した時に、『パンドラの箱』がカタカタいって開くイメージが見えました。

『パンドラの箱』。特に習った訳でもなく、いつの間にか漠然とこの言葉を覚えていたように思います。実はこの言葉、ギリシャ神話から来ているんですよね。プロメテウスがゼウスから盗んだ「火」を人類に与え、それが文明の発展だけでなく、争いにも役立てるようになった。そのことに怒ったゼウスは人類に災いをもたらそうと考えるのです。そこで美女パンドラをつくり、プロメテウスの弟エピメテウスに送ります。エピメテウスはパンドラに一目惚れして結婚しました。エピメテウスの家にはプロメテウスが残した誰も開けてはならない箱が置かれていました。パンドラはその事を知っていましたが、好奇心から箱を開け、全ての災いを人類に解き放ってしまうのです。恐ろしくなったパンドラは慌てて箱を閉じたため、最後に希望だけが箱の中に残されたというストーリーです。

開けてはならないもの。日本の昔話にも同じようなシチュエーションがありますね。
  • 鶴の恩返し;見ないように言われていたのに見てしまった。
  • 浦島太郎;開けてはいけないと言われた玉手箱を開けて、おじいさんになってしまった。
  • 舌切り雀;欲張り婆さんが、家に着くまで決して開けないように言われていた大きなつづらを開けたら妖怪が現われた。
とか。。。心理的に、人間、絶対に開けてはならない、と言われると、余計に開けたくなるものです(笑)。本来、パンドラの箱は箱ではなく、壺という説もあるようですが、私がイメージするパンドラの箱は小さなチェスト・ボックスです。そんな訳で、私にとって、『パンドラの箱』は何の脈絡もなく突然湧いて出たイメージでしたが、その後再び封印することとなり、今も心の片隅にしまってあります。なぜなら、その人は自分にとって特別だから。きっと、もう会うことはないけれど、今頃どうしているだろう?と、ふと、遠いイギリスから思うことがあります。

そんな訳で、ちょこちょこ出てきたギリシャ神話。これは子ども向けですが、ギリシャをもっと理解するために旅行中に読んでいた本です。読んでいても出てくる名前が難しいんだけどねぇ。。。

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