ビーフィーター

ジンのお酒じゃないですよ。通称『ビーフィーター(Beefeater)』として知られるヨーマン・ウォーダーズ(Yeoman Warders)』、ロンドン塔の衛兵隊の話です。それにしてもなんで、『ビーフィーター(牛食い)』なんでしょうかね?調べてみたけど、諸説あって由来ははっきりしていないそうです。一説によると、庶民が飢餓や疫病で苦しんでいる時代、良い食事と安全な寝床が保障された人はタワーの警備員だった。クラウンなんかを守る仕事ですからね。それなりに生活が保障されていないと、宝を盗んで売っちゃいますよってことになりかねない。そんな訳で、周囲が飢えていた時代に、牛肉が食べれたためにビーフィーターと呼ばれるようになったという説です。

Source; http://www.hrp.org.uk
以前、テレビの番組でビーフィーターズの生活が紹介されていました。彼らはロンドン塔の敷地内に住んでいるんですよね。普段足を踏み入れることのできない彼らの家の中を見るのはとても興味深かったです。現在の彼らの主な仕事は警備と観光案内。この仕事に就くには、22年以上の英国軍事歴と善行章を受けていることなどが条件とされているのだそうです。しかも軍事歴と言っても、なぜか海軍を除く陸軍、空軍、海兵隊に限られているんだって。不思議。それに、私だけですかね~。ヨーマン・ウォーダーズっていうと、ついつい語呂が似ている感じがして、「スターウォーズ」のヨーダを連想してしまうんですよねー(苦笑)。

夏目漱石は、彼の作品『倫敦塔(ロンドン塔)』の冒頭で、こう記しています。
二年の留学中ただ一度倫敦塔を見物した事がある。その後再び行こうと思った日もあるがやめにした。人から誘われた事もあるが断った。一度で得た記憶を二返目に打壊わすのは惜しい、三たび目に拭い去るのはもっとも残念だ。「塔」の見物は一度に限ると思う。
彼の気持ちよくわかります。本当に素晴らしいと思った場所へまた行きたいと思うんですけど、大抵は一度目の時の感動は得られないんですよね。どちらかと言うとがっかりしてしまうものです。私もロンドン塔へは一度だけ行きました。素晴らしかったけど、夏目漱石ほどの感動は得られなかった。おそらく彼が見た時代よりも観光地化しちゃっているからかもしれません。ディズニーランド的な感覚も覚えましたしね。でもついつい見逃してしまった箇所もあるし、ヨーマン・ウォーダー・ツアーにも参加しなかった。もう一度行って見たい気もするんですけど、入場料も高いし、もういいかなぁっていう気持ちもあるんですよね。まぁ、機会があればってことで。。。

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