ラドロウ城の生活

ドラマ「ホワイト・クイーン」は終わってしまったけれど、エドワード5世なんか調べたついでに、ラドロウ・カッスル(Ludlow Castle)の話です。ラドロウはウェールズとの国境近く、イングランドのシュロップシャーにあります。実は、去年の夏にこのお城に行きました。しかも歴史なんかの知識を全然持たずに。だから最近になって思ったのです。あー、あのお城だったのね、と。

ラドロウ・カッスルはウェールズとの国境に近かったため、要塞としてとても重要なお城だったようです。そのため、お城は高い丘の上に目立つように建っています。もともと11世紀後半(1085年頃)にロジャー・ドゥ・レイシー(Roger de Lacy)というノルマン人貴族が建設したお城で、16~17世紀には王室が所有していました。ここ、敷地も結構広かった。実はエドワード5世と弟のリチャードは、ロンドン塔で殺害される以前、幼少時代のほとんどをこのラドロウ・カッスルで過ごしていたのです。父の死の知らせを受け、エドワード5世のタイトルを継承したのもこのお城にいた時でした。



現在は、写真のような状態ですが、中世時代は貴族、役人、司祭、使用人、料理人、パン屋、織工、薬草医、馬主、メイド、教師、守衛、蹄鉄工などなど、常に多くの人々の出入りするお城でした。室内は暖炉で暖かく居心地の良い環境が保たれ、壁には美しいタペストリーが飾られていたそうです。石や木製の床の上には井草のマットがひかれ、年に一度、5月の終わりに新しいものに取り替えられたそうです。実は、この習慣が広く知れ渡り、現代の『スプリング・クリーニング(春の大掃除)』につながったとも考えられているとか。そう。日本では、年末に大掃除をしますが、イギリスではスプリング・クリーニングといって春に大掃除をする習慣があるのです。良い香りを保つため、床には定期的にハーブが撒かれたそうで、ハーブは料理や薬だけでなく、日常の香りとしてもお城の中で重要な役割を果たしていたんですねー。

キッチンには約5m幅の巨大暖炉があり、大きな肉の塊をローストしていました。「ターンスピット(Turnspit)」と呼ばれた焼串を回転させる担当の少年もいたそうで。。。何を考えながら串を回していたんでしょう?また、パンもオーブンで焼かれていました。城主に家族にゲストにスタッフ全員分。さぞかしキッチンは大忙しだったんだろうなぁ。。。と妄想しながら歴史を楽しむ私でした。

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