きつおんしょう。

ところで、スピーチって得意ですか?っていうか、得意な人っているのでしょうか?上手な方は沢山いますけどね。キング牧師の『I Have a Dream』やオバマ大統領の演説のように、記憶に残るスピーチもあるし。私、スピーチ大の苦手。スピーチというか人前に立つのがダメ。意に反して頭が真っ白になり呼吸困難になる(苦笑)。あがり症です。それでも必要に迫られ、何度か人前でのスピーチや発表なんかは経験してきましたけど、苦痛ったらありゃしない。。。

イギリスにも似たような思いを抱いた王様がいました。映画、『英国王のスピーチ(The King's Speech, 2010)』をご覧になった方はご存知、現エリザベス2世のパパさん、ジョージ6世です。彼には兄のエドワードもいたし、王位に就く確率は低かったのですが、兄は2度の離婚歴のあるアメリカ人女性との結婚を選び、王位を破棄してしまったのです。そんな訳で王位を継承することになってしまったジョージ6世。中世のドロドロした歴史を読んでいると、王位に就きたくて親子兄弟の争いってのがたくさんありましたけど、それとは逆にジョージ6世は王様になりたくなかった王様なのです。吃音症(きつおんしょう)のため、人前での公式スピーチが大の苦手だったんですね。

彼は子供の頃から病弱、気弱でだったそうです。王位継承については母親の前で泣き崩れたのだとか。それでも運命を背負って生まれてきてしまった彼。誰にも彼の運命を変えることはできませんでした。彼は吃音症を克服すべく、セラピストのライオネル・ローグ氏の治療を受け始めます。そして、ほとんどつかえることなく話すことができるようになったといいます。周りのサポートを得て、努力した王様だったんですね。

去年、テレビで『エデュケーション・ヨークシャー(Education Yorkshire)』という番組をやっていました。教育に対する先生の奮闘と生徒たちの思いを取り上げたドキュメンタリー番組です。子供がいないので、イギリスの学校のことはあまり分かりませんけど、見てて思った。生徒に対するサポートが素晴らしい!先生一人だけじゃなく、複数になってサポートしてる。そして問題があれば、徹底して解決する。ぐれた子はどこにでもいるけど、先生と生徒の距離が近い!そしてこの学校にも吃音症の子がいました。スピーキングのテストをクリアするために先生がつきっきりでサポート。あれこれやるも効果上がらず。。。そこで先生が生み出した作戦は、イヤホンで音楽を聴きながらスピーチするという方法。先生も『英国王のスピーチ』見てました(笑)。そしたら今までどもっていたのが嘘のよう。その子、スラスラとスピーチし始めたのです。個人差はあると思いますけど、先生の努力で、その子が自信を取り戻した瞬間でした。最後に彼、イヤホンしながら、これまでの思いを校内スピーチするんですけどちょっと感動ものです。

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