そぞろ歩き。

異国の地を訪ね、日常とは違う時間を楽しむ旅行。贅沢で幸せなひと時です。私は事前にあれこれガイドブックを読んでも頭に入らない人間なので、さらりと読む程度で、あとは成り行きに任せることが多い。後で見たものを調べる方が自分に合っている。だから見逃したり、後になって、あぁ、あれがそうだったのかと思うこともあるけれど、基本、自分はそれでいいのだと思う。世界観を広げたり、自分を見つめ直したり、リラックスしたり、旅行には色々な楽しみ方があって、それは様々な形で必ず人生の肥やしとなりますよね。

今回、はじめは島々を船で巡るツアーに参加しようと思っていたのですが、船でドゥブロブニクに行ったら、なんだか船旅はお腹一杯になっちゃって、結局、滞在先のこの町でのんびり過ごすことにしました。今日はそんなツァブタットの町を散策したお話です。


メインストリートから道をそれると、住宅街へと細い路地が続きます。入り組んでいて迷路みたい。階段の続く上り坂、どっちへ行こう。現地のお年寄りにはきつかろうと思いつつ、自分もキツイ。。。


途中で廃墟に遭遇。でもピンクのお花が綺麗でした。


まずは半島の丘のてっぺんに建つ『ラチッチ霊廟(Mauzolej obitelji Račić)』に行きました。この霊廟は、クロアチアの彫刻家イヴァン・メシュトロヴィッチ(Ivan Meštrović)という人が船主だったラチッチ・ファミリー(Račić)のために設計・建築(1922年)したものだそうです。霊廟の平面図のは八角形で、これはギリシャ十字型 (縦横の長さが同じ)になっているのだとか。


そして、海を見下ろす墓地には、日課になっているのでしょうか?花束を持った人や犬の散歩で来た地元の方々もちらほら見掛けました。この丘からは海を挟み、ドゥブロヴニクの城壁を一望することができます。空港へと向かう飛行機がひっきりなしに上空を横切り、それ以外は静かな静寂に包まれるこの場所にはベンチもあって、とても心和む心地良い場所でした。こちらの墓石には亡くなられた方の写真が入っているのが印象的でした。私たちの知らない時代、知らない場所で生きていた一般市民の顔を知る不思議。そして、供えられたガラスのランタンや、暑いからでしょうね、造花やケースに入ったブリザードフラワーを多く見掛けました。


その後、住宅街をそぞろ歩き。


途中でこのような小さな可愛らしいチャペル2つに遭遇しました。


こちらは2つ目に見掛けた別チャペルの内部。ベンチが左右に向かい合わせで置かれているだけの小さなチャペルでした。強い日差しを避けて一休み。


あ、ポストマンだ。路地や住宅やらを熟知したポストマン。入り組んだ路地を入り、階段を昇り降りして、背中にびっしょり汗をかきながら郵便物を配達していました。暑い中ご苦労様です。


こちらはセント・ニコラス・チャーチ。入口にカメラ撮影禁止マークはなかったけど、水着で入場禁止マークが。。。そりゃそうだ、神聖なる教会ですから。でもリゾート地だとそのまま入っちゃう人もいるってことですね。


こちらが内部。私たちが行った時は中に誰もいませんでした。


教会内に飾られていた宗教画は、よくよく見ると見覚えのある風景。それは全てツァヴァタットの町を舞台に描かれたものでした。面白い。


メインストリートに戻って、カフェで喉を潤します。この半島には海岸沿いにぐるっと整備された遊歩道があって、海を見ながらこちらものんびり散策できます。散策していたら、ドゥブロブニクへ向かう船で一緒だったノルウェー人やフランス人、ホテルで見掛けた人などとすれ違いました。みんなすることは同じなんですね。

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