ヴラホ・ブコヴァッツのお家へ行く。

クロアチアを代表する画家、ヴラホ・ブコヴァッツ(Vlaho Bukovac; 1855-1922)。彼はツァヴタット(Cavtat)出身で、ツァヴタット旧市街地の住宅街に彼の美術館がありました。彼が住んでいた家をそのまま美術館として使用しているため、外観は普通のお家。ひっそりと、そしてこじんまりとしています。館内には彼らが使用していた家具なども展示されていて、部屋へ足を踏み入れるたびに、クロアチアのお家の中はこんな感じなのかしら?とちょっと想像しちゃいました。


正直いって、ツァヴタットへ行くまでブコヴァッツ氏のことは知らず。。。彼の原点は、イタリア人船乗りだった彼の祖父が嵐で寄港したツァヴタットに住み着いたことにあったんですね。彼は幼い頃から「世界」を見て育っていました。11歳で叔父とNYへ行ったり、船乗りとして再びツァヴタットを離れたり、兄とペルーへ行ったり。のちに趣味で描いていた彼の絵が評判となり、フランスの国立高等美術学校、エコール・デ・ボザール(École nationale supérieure des Beaux-Arts, ENSBA)で芸術教育も受けています。ここはドガやモネ、ルノワールなど、私たちも耳にしたことのある有名な芸術家を輩出した学校でもあります。下はブコヴァッツの自画像。地元っ子たちの絵も一緒に飾られ、彼が愛される画家であるのが伝わってきます。


彼自身が描いた壁もそのまま残されていました。そうか、壁紙がなくたって、立派なデコレーションがなくたって、直接壁に描けばいいんですね。


3階部分に位置するこちらは、明るい日差しが差し込むアトリエ。ここは後にブコヴァッツ自身がアトリエとして増築した部分だそうです。すごく居心地の良い空間でした。そして壁に掛けられている彼の絵はどれも柔らかで温かみがって心が和みます。油絵の他にもスケッチや手紙、写真なども展示されていましたが、私が一目で気に入ったのは水中で泳ぐ少女を描いたデッサン画。ポストカードが売られていたので買って来ました。水中漂う姿に何故かものすごく惹かれたんですよね。

ブコヴァッツ・ファミリーの人柄や生活感が伝わってきそうな、暖かみがあって親しみのあるとても素敵な美術館でした。そんなラホ・ブコヴァッツのお家、こちらからあなたも訪問疑似体験ができますよ。興味のある方はどうぞ。
https://www.kuca-bukovac.hr/stalni-postav-e.html

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