アーキリース

トロイア戦争に登場する英雄アキレス(Achilles)。英語ではアーキリースと発音。そう。アキレス腱というのは彼の名前に由来しているんですよね。ギリシャ神話によれば、アキレスのママ(テティス)は生まれた息子を不死の体にするために、特別な力が宿っているとされるテュクスの水に浸すんですね。ところが、浸す時に息子のかかとを掴んでいたために、かかとだけ濡れずに不死にならなかった。そしてのちにヘクトルを殺したアキレスは、ヘクトルの弟パリスによって弱点であるかかとを射られて命を落としてしまうのです。だから「アキレスのかかと=致命的な弱点」と言う訳なんですね。

そーいや、日本語にも「弁慶の泣き所」ってありましたね。ひざ下から足首までの前面の「脛(すね)」の部分です。弁慶が泣くかどうかは別として、弁慶ほどの豪傑でも痛がって泣くじゃろうという急所の意味。アキレスのかかとと同じような意味ですね。誰にだって弱点はある。

それにしても、かかとを掴んで水に浸すってどういう状態?体を両手で優しく抱えてチャポンと水に沈めたんじゃないの?と変なところに引っかかった私。フランドルの画家ピーテル・パウル・ルーベンス(Peter Paul Rubens; 1577-1640)が描いた『幼児アキレスをテュクスの川に浸すテティス(Thetis Dipping the Infant Achilles into the River Styx) 』という絵がありました。あぁ、やっぱり表現するとこうなるのか。。。テティス、やることが結構大胆だよ。

Source; Wikipedia
Peter Paul Rubens: Thetis Dipping the Infant Achilles into the River Styx
(c. 1625; Museum Boijmans Van Beuningen, Rotterdam)

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