王子と乞食。

子どもの頃『王子と乞食(The Prince and The Pauper)』を読んだことがある。あれはマーク・トウェインの作品だったんですね。舞台は16世紀のイングランド。貧しいトム・キャンティと王子として生まれたエドワード・テューダーがそっくりな顔立ちだったために入れ替わったというお話でしたね。結果元に戻ったと思ったんだけど、どういう流れだったかな?内容を忘れてしまったのでちょっと気になる。。。

何で『王子と乞食』を思い出したかと言うと、先日エドワード・プランタジュネットについて書きましたが、調べていたらランバート・シムネル(Lambert Simnel; c1477-c1534)という少年の名前が出てきたんですね。彼の両親はパン屋、商人、オルガン職人などと言われていて、つまりは庶民ですよね。そんな少年がエドワード・プランタジュネットが幽閉されているのをいいことに、年齢も近かったエドワードになりすましたというのです。当然、王位に就いたヘンリー・テューダー(ランカスター派)を快く思っていないヨーク派の大人たちが、その少年を「まつりあげた」訳なんですけど。『王子と乞食』とは異なるけど、そこらの一般庶民の少年が王子になりすますなんて滅多にある事ではありませんよね。でも彼は実在の人物です。なのでふと思い出したのでした。

Source; Wikipedia

まずは腹黒い司祭が、幽閉された王子が脱獄したという噂をでっち上げ、少年は王子になりすますよう訓練されたそうです。しかも1487年には、ヨーク派の支持者がいたアイルランドへ行き、ダブリンのクライストチャーチ大聖堂にて「国王エドワード6世」として戴冠させられている。さらには、まだ10歳かそこらの少年なのに、ばら戦争で最後の戦闘となったストーク・フィールドの戦い(Battle of Stoke Field; 1487)に参加している。。。ランバート・シムネル本人はどう感じ、どう思っていたのだろうか?

戦いは3時間以上にも及んだそうだ。最終的にシムネル坊やは捕らえられている。もちろんヘンリー7世(ヘンリー・テューダー)は彼が偽物であることを知っていたし、大人に利用されただけということで免罪にし、王室キッチンでの仕事を与えたそうだ。暖炉の前で肉をクルクル回す役ね。そして、後に鷹を扱う人間・鷹匠になったのだとか。王位継承権があったとはいえ、エドワード・プランタジュネットも所詮大人に利用されただけなのに扱いは全く違うのね。。。

そう言えば、前に富裕層と貧困層の家族が一週間、家とその生活を交換するという『リッチ・ハウス, プア・ハウス(Rich House, Poor House)』というTV番組がありました。貧しいというより普通の一般家庭でしたけど。。お互い一週間の予算を見てビックリ。前者は改めて家族と一緒に過ごす時間の大切さを感じ、後者は普段は出来ない贅沢を楽しんでいるようでした。ま、最後はやっぱりわが家が一番ってことでしたけどね。話がそれたけど『王子と乞食』読んでみようかな。

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