うろぼろす。

子どもの頃、ミヒャエル・エンデ著の『はてしない物語』を夢中で読んだ。そして「子ども心や遊び心を忘れない大人になりたい」と思った。そういう思いは、今も心のどこかに存在していたりする。岩波書店が発行した『はてしない物語』の本(ハードカバー)は、ストーリーに登場する本と同様、表紙はあかがね色で、蛇がお互いの尻尾をくわえた「アウリン」の模様が付いていた。子どもの頃は、単にこの本のシンボルだと思っていたけど、実は、この蛇や竜が尾を噛んで輪になった模様というのは、ウロボロス(ouroboros, uroboros)といって、古代から用いられてきた象徴のひとつなんですよね。語源は古代ギリシャ語。永遠や無限など様々な意味を持っていて、多くの国や文化、宗教において用いられてきたというのだから面白い。

 
Source; Wikipedia
 
古代エジプト、アステカ、古代中国、ケルトなどにも同じようなイメージが存在します。北欧神話にも、ヨルムンガンド(Jörmungandr)という自分の尾をくわえるほど巨大な姿に成長した蛇の魔物が登場します。このイメージって、そーんなに世界中に存在するものだなんて知らなかったわよ。
 
そして、ノルウェーのオスロにあるヴァイキング船博物館(Vikingskipshuset)に展示されているオーセベリ船(Oseberg Ship)。よーく見ると驚くほど見事な彫刻が施されていますが、この彫刻も同じような『握り獣(gripping beast)』をモチーフとしたものだったんですね。色々なところで見つけるウロボロス。なんだかとっても神秘的なイメージです。

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By Karamell - Own work, CC BY-SA 2.5,
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