ウォード

中学生の時、授業で藍染(ろうけつ染め)をした。クッションカバーにモモの絵を描いて染めたら、モモだかお尻だかわらかなくなった。自分、なぜモモを描いたのかは不明である。。。

さて、以前、ラベナムブルーでウォード(woad / 学名;Isatis tinctoria)という植物に触れました。もちろん、ラベナムに限らず、歴史的にブルーの染料として世界で広く用いられてきた訳ですが、私もその美しい色に魅了された者の一人。日本では「青は藍より出て藍より青し(あおはあいよりいでてあいよりあおし)」ということわざがあり、藍は青っけがないくせに染めると見事な青に染まることから、弟子の方が師匠より優れている事を言うのだそうだ。


ウォードはもともと地中海原産の植物で、トルコや中東、そしてヨーロッパへ広まったとされています。ウォードってどんな植物?成長するとちょっと菜の花みたい。鮮やかな黄色の花をつけるんですね。ただし、染料に使用するのは、成長前の若い葉の部分だけだそうです。



中世時代、イギリスではヨーロッパからウォードを輸入していたそうですが、需要が増すにつれて値段も上昇し、定期的に確保するのが困難になると、イングランドの土地で栽培するようになったのだとか。事実、1580年代半ばにはウォードの過剰生産により穀物生産が脅かされはじめ、政府により制限されたようです。イングランドにはウォード(古英語;Wad)に由来する地名がいくつか残されています。他にもまだあると思いますけど。いずれもウォードが生えた・栽培された丘・土地などを意味しています。面白いですね。
  • Wadborough, Worcestershire
  • Waddon, Dorset and Surrey
  • Wadd Ground, Warwickshire
  • Waddicar, Lancashire
  • Wadland Furlong, Warwickshire
  • Woodhill, Wiltshire
  • Odell, Bedfordshire(もとはWodell)
  • Glastonbury, Somerset
栽培・収穫されたウォードの葉は、馬力を利用したミルでペースト状に刻んだ後、手でボール状に丸められ、カチカチになるまで4週間程乾燥させたとあります。この乾燥させた状態で取引が行われていた訳ですね。

Source; Wikipedia
のちに、アジアで化学合成したインディゴ染料が発明され、イギリスにも入ってくると、ウォードは徐々に染料として用いられなくなったそうです。これも時代の流れなんでしょうねー。。。続く

参照;

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