コーバーグ・コブ

先日、モリソンズ(スーパーマーケット)のベーカリーでお買い得品だった『コーバーグ・コブ(Coburg Cob)』を買いました。素朴だけど見ただけで美味しそう。日本にいた時も、ベーカリーショップへ行くと、姉は総菜パン、私はこういうシンプルなパンをよく好んで買っていました。今は逆に日本へ帰ると、イギリスでは売っていないようなクリームパンやあんぱん、総菜パンにも目がいきますけどねー。

実はこの『コーバーグ・コブ』、ヴィクトリア朝時代に人気があったそうです。ヴィクトリア女王の夫、ザクセン=コーブルク=ゴータ公子アルバート(Albert, Prince of Saxe-Coburg-Gotha;1819-1861)の名前と同じというのもその理由だったのかも知れません。実際に詳しいことは分かっていませんが、名前は、それ以前に、ロンドンに住んでいたドイツのパン屋さんが自分の苗字を付けて販売したことに由来するのではないかとも考えられているようです。

さて、昔のオーブンは現在と違ってサーモスタットなど付いていませんでしたからね、その作業には経験と確かな目が必要だったはずです。さぞかし重労働だったでしょうね。現在は乾燥のイースト菌が使用されていますけど、当時は何を使っていたのでしょうか?ヴィクトリア時代のベーカリーは、地元の醸造所から「エール・バーム(ale-barm)」と呼ばれるビール酵母を購入していたそうです。1837年頃、パンの値段は2パウンド(2lb)の大きさのパン(写真はその半分以下の400g)で、平均約4ペンス1ファーディング。当時の農業労働者の一日分の賃金の1/4に相当したのだとか。

あー、パンが食べたくなってきた。またパンでも焼こうかな?


参照;

コメント