湖に沈んだ村

去年の1月、ラトランド(Rutland)へ行きました。ラトランドはイングランドで最も小さなカウンティでもあります。これまで旦那はんと旅行した中で、今のところのベストワンがここ。ちょうど雪の日で、シーズンオフということもあって利用客も少なく、静かでとても神秘的な雰囲気でした。宿泊したホテル(The Barnsdale Hall Hotel )からは、ラトランド湖も見えました。

EnglandRutland.png
Source; Wikipedia

実はこのラトランド湖、人口湖でアングリアン・ウォーターの飲料用貯水池として使用されています。そんな我が家も水道会社はアングリアン・ウォーター。ラトランド湖は、産業や人口増加に伴い、1975年にグウォッシ・ヴァレイ(Gwash Valley)をせき止めて造られた湖ですが、その際に埋もれた村がありました。日本でもダム建設の際に沈んでしまった村ってありますよね?常に建設には賛否両論つきものだけど、これまでの歴史が水の底に沈むって何だか悲しい。。。


湖に沈んだ地域はハンブルトン(Hambleton)と呼ばれています。もともとはアッパー・ハンブルトン(Upper Hambleton)、ミドル・ハンブルトン(Middle Hambleton)、ネザーあるいはローワー・ハンブルトン(Nether Hambleton or Lower Hambleton)の3つの集落で構成されてました。ミドル・ハンブルトンとローワー・ハンブルトンは完全に水没。アッパー・ハンブルトンは一部が水没しました。

工事の際には、2億年前の化石や、石器時代(Stone Age)、青銅器時代(Bronze Age)、鉄器時代(Iron Age)に続き、ローマ時代やアングロ・サクソン時代の遺跡も見つかっており、ここは昔から人々が住み続けてきた地域でもあります。そしてハンブルトンは、アングロ・サクソン時代には王国の首都だったこともあると考えられています。そんな歴史ある土地も今や水の底。

資料には人々の記憶が記録されていました。家ごとに住んだ人々や当時の生活の様子が書かれていて読んでいてとても興味深いです。


村にあったノーマントン教会(the Normanton Church)は3メーター底上げし、ラトランドのランドマークとなっています。今は結婚式場みたいですが。。。

Source; Wikipedia
参照;

コメント