旅の恥はかき捨て。

明けましておめでとうございます。明けちゃいましたね。歳を取るたびに、一年が短く感じられていくのは何故だろう。。。

さて、『旅の恥はかき捨て』という諺がありますよね。「見知らぬ旅先で赤っ恥かいてもその場限りのことだから気にしない、気にしない」ということだと思っていたんだけど、調べてみたら「旅先には知人もいないし、長くとどまるわけでもないので、普段ならしないような恥ずかしい言動も平気でやってしまうものだということ(故事ことわざ事典)」、「知っている人もいない旅先では、ついハメを外して、普通ならできないようなことを平気でやることが数多くある。それは自分の良心に対して、恥ずべきものであることをいう(イミダス)」とあった。アレ、意味違くない?勘違いしてたみたい?確かにハメを外し過ぎたような人を見掛けることもあるけど、昔からハメはずせってことで使われてきたのだろうか?調べたらなんか二通りの書き方があってますます分からなくなってしまった。。。

そう言えば、前に読んだ網野善彦先生の「日本の歴史をよみなおす(全)」という本の中で、中世の日本人女性は私たちが思っている以上に自由に旅ができて、その時出会った男性とその場限りのセックスをしていた可能性があるということが書かれていたんですね。女捕りという、今で言うナンパ?のような習俗があった。旅行中は男女の在り方も異なったようなんですね。だから先生は『旅の恥はかき捨て』という諺はそういう名残なんじゃないかと思うとさらりと書いてました。正直なところはわかりませんけど、なかなか面白いと思ったのでした。

英語にも『What happens in Vegas stays in Vegas.(ラスベガスで起きたことは、ラスベガスにおいておく)」という有名なフレーズがあります。「恥」に限るものではないですが、ラスベガスでギャンブルやドラッグなどハメを外して何かしたことを、帰ってきて他人に話す必要はないという意味で使われています。旅の恥はかきすて。私は旅じゃなくてもしょっちゅう恥をかいてる気がする。。。

さて今回、私たちがクリスマス・ホリデーに出掛けた先はマデイラ島(Madeira)です。ポルトガル領でありながらアフリカ大陸の近くに位置する、700万年前の火山噴火で形成された島。そのため海岸線は断崖や岩場が多く、とにかく急な坂が多い。道路は長ーいトンネルがいっぱいでした。ネイティブはおらず、1940年からポルトガルから植民が行われた比較的歴史の浅い島なんですね。1年を通して気温が20度前後という過ごしやすい温暖な気候で、お庭でバナナが栽培されていたり、カラフルな花が咲いていたり、南国情緒に溢れていました。そんな陽気につられてハメを外した訳ではないけど、最近めっきり酒が飲めなくなった私が久しぶりに酒に酔い、ふとこの諺が頭をよぎったのでした。。。

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