ドラゴン

ドラゴン(dragon)は、ヨーロッパの伝承や神話に出てくる伝説上の生き物ですよね。ウェールズの旗には「赤い竜(Y Ddraig Goch;ア・ドライグ・ゴッホ)」が描かれていることでも知られています。よく考えてみれば、旗に描かれているのが「想像上の生き物」っていうのがちょっとかっこいい。この赤い竜の旗がウェールズの国旗として公式に認定されたのは1959年だそうです。

1136年頃、イングランドのキリスト教聖職者、歴史家だったジェフリー・オブ・モンマスと言う人が書いた『ブリタニア列王史(Historia Regum Britanniae)』というものがあります。7世紀頃までのブリテンに関する偽史書だそうで、つまりは神話や古書を元に作られたフィクションということ。詳しいことは知りませんが、ここに赤い竜と白い竜の戦いの場面が登場するのだそうだ。

Source; Wikipedia
Illumination of a 15th-century manuscript of Historia regum Britanniae

さて、サフォークにあるビュアズ(Bures, Suffolk)を歩いていた時、こんなドラゴンの地上絵を見掛けました。私有地なのでこれ以上は近寄れませんが、クイーンズ・ダイヤモンド・ジュビリーのお祝いの一環として作成されたもののようです。

 
このドラゴンもこの土地の伝説が元になっています。ヘンリー・デ・ブラインフォード(Henry de Blaneford)と言う人によって1405年に書かれた『セント・オールバンズ修道院年代記(the Chronicle of St Albans Abbey)』には、 ビュアズの村周辺で、羊の群れを襲う邪悪な竜が現われたと書かれています。羊を襲われた土地所有者は竜を退治すべく、弓で射るも、その体は金属のように固く、矢は跳ね返り、竜は遠くへ飛んで行ってしまった。次に人々が総出で退治しようとすると、竜は沼地に逃げ隠れ、それから姿を消してしまったというお話だそう。ビュアズの近くにウィシントン(Wissington)という村があり、そこのセント・メアリー教会(St Mary's Church)には14世紀の竜の壁画があるそうです。この地上絵のように尾がくるっと輪を描いているらしい。今度行く機会があったら見てみよう。

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