テンプル騎士団。

テンプル騎士団とは、中世ヨーロッパで活躍し、正式名称を『キリストとソロモン神殿の貧しき戦友たち(ラテン語;Pauperes commilitones Christi Templique Solomonici)』という修道士かつ戦士である騎士修道会のこと。かなーり平たく言えば、巡礼者を守り、場合によっては武器を持って戦っちゃうよという坊主集団。ちょっと違うか。。。

その他にも、彼らは色々な地域で土地を買い、農業や産業を興したそうで。私が住むエセックスにもテンプル騎士団が建てたというクレッシング・テンプル(Cressing Temple)という場所があります。美しいガーデンがあり、ティールームも併設、立派なくせに入場・駐車場無料と言う太っ腹なこの施設、時折イベントも開かれています。ちょこっとだけ行ったことありますが、ここで目を引くのが13世紀に建てられたというティンバー・フレーム(timber-framed buildings)の穀倉。大麦用と小麦用の穀倉は、いずれも広く、天井がものすごく高くて立派で、1級指定建造物(Grade I-listed)に指定されています。イングランドでは、主に指定建造物は3等級に分類され、中でも1級は『最高に重要な建造物』とされるものです。



テンプル騎士団がこの地を手にしたのは1136年。彼らが所有する土地としてはイギリスでも初期の、エセックスでも最大級のものだったと言います。この敷地には邸宅(mansion house)、パン焼き場(bakehouse)、醸造所(brewery)、乳製品製造(dairy)、穀倉(granary)、鍛冶屋(smithy)、庭園(gardens)、鳩小屋(dovecote)、水車(watermill)、風車(windmill)、聖マリアに捧げられた礼拝堂と墓地(chapel and cemetery)があり、ここで得られた収入は十字軍でのテンプル騎士団の活動資金として供給されたそうです。生活に必要な全てを作り、利益を生み出し、かつ人(巡礼者)を守る。ここだけでもう一つの村のようなものですね。

こういう場所を見て回ると、いつも自然な生活っていいなぁって思います。なんか温もりに満ちている。言うなればアーミッシュ的な、自給自足の生活。きっと追求すればそういう生活に辿り着くのかもしれません。現実には周りに誘惑が沢山あって、私には近代文明を切り捨てることはできないけど、たまにはパンを焼いたり、手づくり的なことを生活に取り入れることで、居心地が良いと感じたりするのです。

さて、テンプル騎士団と言えば、映画『ダ・ヴィンチ・コード(The Da Vinci Code;2006)』を思い出します。まぁ、予備知識の無かった私にはちと難しい映画でしたがね。。。

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