不倫。

不倫ドラマや他人の噂は好きなくせに、身近に起こると非難轟々。。。ともなりかねない『不倫』。私は簡単には肯定も否定もしない派だ。一言で『不倫』と言っても、恋愛と同じでそのパターンは多種多様だから。確信犯的な始まりもあれば、結果論ということもある。それを単純に一括りにするのもどうかなってことで。恋すること自体は自然の事。理屈ではない。心に噓はつけない。問題なのは感情や欲求にただ流されて、歯止めが利かなくなってしまうこと。本能と理性の葛藤。そしてバレて最悪な事態に陥ったときの対応。

先日、テレビで『インヴィジブル・ウーマン(The Invisible Woman; 2013)』という映画を観ました。イギリスの文豪チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens; 1812-1870)が『不倫』していたという事実を元に、彼の愛人関係を描いた小説(Claire Tomalin著)を映画化したものです。えっ、ディケンズって不倫してたんだ。。。と、ここでその事実を知った訳です。どの時代にも不倫は存在する。ディケンズは、妻キャサリンとの間に10人も子供を儲けていながら、結婚生活はうまくいかなかったそうで。そもそも彼はキャサリンではなく、その『妹』メアリーに恋していたというから、うーん。人の結婚というのは実に謎に満ちている、と思ってしまう。しかも、結婚してからもメアリーが一緒に同居していたという、なんとも理解に苦しむその環境。。。彼女はすぐに亡くなってしまったようですけどね。

ディケンズは、彼が45歳の時に当時18歳だったエレン・ターナン(Ellen Ternan)という女優さんと恋に落ちます。彼女がその不倫相手。先の結婚が冷え切っていたというなら、45歳にして最愛の人・運命の人に出会ってしまったということなのかもしれません。ディケンズはキャサリンとの離婚を決断します。今とは違ってまだ離婚は受け入れ難かった時代。しかも彼は有名人。愛人関係も秘匿されたまま、その関係はディケンズが亡くなるまで続いたと言います。時代背景もあったと思いますが、知られたくない秘密は墓場まで持って行く。彼らの愛にはそんな覚悟があったのかもしれません。因みに彼女はディケンズが亡くなって6年後、年下の男性と結婚しています。ディケンズとの過去の関係を心の内に秘めたまま。

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