ロッチフォード・ホール

現在、ゴルフのクラブハウスとして使用されているこの建物、もともとは荘園だった建物だそうです。イギリスの指定建築物第一級(Grade I)にも指定され、歴史上重要な建物と位置づけられています。ロッチフォード(Rochford, Essex)にあるこの建物は、ロッチフォード・ホール(Rochford Hall)と呼ばれ、ヘンリー8世治世時代、トマス・ブーリン(Thomas Boleyn)が所有していました。トマス・ブーリンと言えば、イングランド王ヘンリー8世の2番目の王妃となったアン・ブーリン(Anne Boleyn)のパパです。とは言え、ここは彼女たちの生家という訳ではなく、所有していた荘園の一つということですね。もともとは母親の遺産としてトマスが授かったものでした。ちなみに、トマスは1525年6月16日、ロッチフォード子爵(Viscount Rochford)の爵位が与えられています。


トマスの娘で、アンの姉妹メアリー(Mary Boleyn)は2度結婚しています。一人目はサー・ウィリアム・キャリー(Sir William Carey)。メアリーはヘンリー8世に見初められた時、結婚していたので愛人扱いでしたね。のち夫は病死。そして恋愛結婚したのが二人目のウィリアム・スタッフォード(William Stafford)でした。結婚の後、彼らには居住地としてロッチフォード・ホールが与えられています。つまり、彼らはここに住んでいたんですね。


16世紀のロッチフォード・ホール
https://www.rochfordhundredgolfclub.co.uk

もともとこの荘園は1216年頃に建てられ、1455年頃再建、かつては大規模な荘園だったようですが、残念ながら南側の一部は1760年の大火災で破壊されてしまったようです。

メアリーは1543年、ロッチフォード・ホールで亡くなっています。でも、彼女のお墓の場所は不明だそうです。すぐ側に13~14世紀に建てられた教会(Saint Andrew's Church)もあったんですが、面白いことに現在はゴルフコースのど真ん中。。。中を覗いてみたかったのですが、残念ながら鍵が掛かっていて入れませんでした。

 

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