ハンニバル

先日、TVで『Hannibal's Elephant Army: The New Evidence』という番組を見ました。『ハンニバル(Hannibal)』というと、私は怪奇的な映画の方を連想してしまうのだけれど、ここでは戦術に長けたハンニバル・バルカ(Hannibal Barca; ca (ca 247-183B.C.)というカルタゴ将軍のお話。カルタゴは現在のチュニジア共和国チェニス近くに存在した古代都市国家で、ハンニバルは軍を率いてイタリアへ侵入するのに、優勢なローマ軍や同盟軍を避けるため、あの険しいアルプス山脈を越えたことで知られています。

Source; Wikipedia
Hannibal
番組を見て、紀元前という時代に、この人は凄いことをやってのけたんだなぁって改めて思ったんです。発想がすごい。実行したことがすごい。今でさえ険しいアルプスを歩兵隊38,000、騎兵隊8,000、そしてゾウ38頭を率いていたというから驚きです。ハンニバルのアルプス山脈越えのルートは詳しく分かっていなかったようですが、どうやら最も険しく厳しいルートを通っていたようなんですね。彼らが従えたゾウはアフリカ・ゾウでしたが、現在は絶滅している種類のようで、私たちが知るアフリカ・ゾウよりはちょっと小さかったそうです。ゾウの山越え。確かにサーカスなどでも調教されたゾウを見ますけど、大柄な割にずいぶんと柔軟な生き物なんですね。とはいえ、イタリアに到着した時にはゾウを含め、軍の数はだいぶ減っていたはず。戦争でゾウを使用した例は他にもありますが、その目的はオラオラと敵に迫り、「恐怖心」を煽ることだったようです。確かにゾウが突進してきたら怖いし、馬だってパニックに陥るかもしれない。でもいくら飼いならされていたとはいえ、暴走してしまったら、自分たちだって制御不能になる可能性も十分あったんじゃないかと思うんですよね。。。


まさかアルプス山脈を越えて敵が攻めてくるとは想像もしなかったローマ軍はびっくり仰天だったでしょうね。そこはハンニバルの戦略勝ち。ハンニバルの人生は死ぬまで常に対ローマとの戦いだったんですね。幾度かの戦いの後、史上最強の敵としてローマ人の記憶に残ったハンニバルは、劣勢に陥ると追われる立場に。亡命を図り、相手に捕らえられるくらいならと、最後は自ら命を絶っているようです。大昔の人間の本当の姿なんてわかりゃしないけど、君はなんて勇敢で気高い男なんだろうと思ってしまったよ。

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