ドゥームズディ・ブック

ドゥームズディ・ブック(Domesday Book; DB)とは、ヘイスティングズの戦い(Battle of Hastings; 1066)で勝利し、イングランドを征服したウィリアム1世によって世界で初めて作られた土地台帳のこと。といっても元々この名前が付けられていた訳ではありません。検地によって土地、家畜、財産などごまかしがきかないほど厳しく調べあげられたことから、行いを明らかにして全ての人類が裁かれたキリスト教の「最後の審判」を意味するドゥームズデイ(Doomsday)の言葉になぞらえて12世紀頃からドゥームズディ・ブックと呼ばれるようになりました。日本語だど気付きませんが、『dome』は屋根(家)を意味するためスペルは違うんですよね。

実はこのドゥームズデー・ブック、ノーフォーク、サフォーク、エセックスを含む「リトル・ドゥームズディ(Little Domesday)」と、その他のイングランド、ウェールズの一部を含む「グレート・ドゥームズディ(Great Domesday)」の二部で構成され13,418ヶ所が記録されているそうです。

記録に使用されたのはヴェラム(Vellum)(羊皮紙)。赤と黒のインクを使い、略語を用いてラテン語で書かれていました。グレート・ドゥームズディには413頁、リトル・ドゥームズディには475頁分のヴェラムが使用されていたそうですよ。

Source; Wikipedia
さてさて、この土地台帳、結果として当時を知る上で貴重な資料となっている訳ですが、ウィリアム1世の目的は町や村の調査というより、そこから課税できるものを明らかにすることにあった訳です。そう考えると、多大な幸運と並外れた決断力によって、イングランド王にまで上り詰めた彼の大きな野望が感じられます。

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