廃村。ゴルソ

『ゴルソ(Goltho, Lincolnshire)』とはワラムパーシーのように、かつて村が存在したものの、廃村となったところです。ゴルソっていうと、私はなんだかとっても厳ついゴブリンのようなものをついつい連想してしまうんですけどね(笑)。地名の由来ははっきりしていませんが、古くは『Goltelhayt(1279)』や『Golthag』などのスペルが使用されていたことから、古英語の『Gold-haga』に由来し、『マリーゴールドの群生する囲い地(enclosure where marigold grew』を意味するのではないかと一般的には考えられているようです。


発掘調査は1973年から行われました。西暦50年~410年頃まで人々が継続して住み続けていたものの、人々が住まなくなったのには、おそらくローマ文化の崩壊に関係があるんじゃないかと考えられています。しかし、800年頃には再び人が住み着き、中世時代の村も確認されているそうです。それにしても航空写真で、こんなにくっきり昔の跡が確認できるものなんですね~。

さて、そんなゴルソ。最終的に廃村となった理由は明らかにされていないようですが、気候の悪化により農作物に影響を与え、定住にも深刻な問題を引き起こした可能性が高いと考えられています。事実、イギリスでは1315、1316、1319、1349、1350年に、気候の変化により、壊滅的な農作物の被害があった所もあるそうです。そんな年が何年か過ぎ、土地も徐々に痩せ、非生産的な状況に陥っていったんですね。

現在、ゴルソで唯一残されているものは16世紀に建てられたセント・ジョージ教会(St George's Church)で、Churches Conservation Trust(教会保存トラスト)という団体によって保護されているそうです。そんなゴルソの教会、2013年10月21日に火事にあった模様。落雷によるもののようですが。。。こうやってまた歴史が消えていくんですね。。。

St George's Church, at Goltho, near Wragby. Picture: Pauline Loven
https://www.lincolnshireecho.co.uk/Church-burnt-ground/story-19964665-detail/story.html

参照・出典

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