ガーゴイルとハンキー・パンク

ガーゴイル(gargoyle)とは雨樋の機能をもつ、怪物などをかたどった彫刻のこと。主に西洋建築の屋根に設置され、雨樋から流れてくる水の排出口としての機能を持っています。英語のガーゴイルはフランス語の「ガルグイユ(gargouille)」に由来し、元々はラテン語の「のど(gurgulio)」を意味する単語だそうで、水が流れるときのゴボゴボというような音を表す語根 「gar」 から派生したものだそうです。英語でうがいをするという単語も「ガーグル(gargle)」と言います。日本でもガラガラうがいをするとか言いますけど、似てますね。

ガーゴイルは古代から存在するもので、怪物の姿をしたものの多くは中世以降に登場したようです。その形態は悪魔や怪物、架空の動物などから、普通の人間や動物なども存在します。ゴシック建築の大聖堂が盛んに建設されるようになると、高く勾配の急な屋根を雨水が勢いよく流れ落ちるようになり、雨水で壁面が濡れるため、漆喰を侵さぬように、外壁から離れて水を落とす吐水口が必要となり、次第に複雑な装飾となっていったようです。

中には一見ガーゴイルに見えて、排水機能を持たない奇妙な彫刻もあり、それらは厳密にはガーゴイルと分けて『グロテスク(grotesque)』と呼ばれています。つまり、ガーゴイルとの全体のバランスをとるために、教会の塔の角などに作られた装飾のことです。特にイングランドのサマセット地方(Somerset;in the West Country of England)では、後期ゴシックの教会にグロテスクが多く存在し、『ハンキー・パンク(Hunky punk)』という独特な方言で呼ばれているようです。これは古英語で「しゃがむ」を意味する『ハンカーズ(hunkers)』と「短足」を意味する『パンキー(punchy)』に起因していて、いわゆるヤンキー座りのようなイメージです。面白いですね。

Source;
https://www.britainexpress.com/counties/somerset/churches/Curry-Rivel.htm


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