気が付いたらBBCの iPlayerに『マーリン(Merlin;邦題「魔術師 MERLIN」)』全65話(5シーズン各13話)がアップされていました。イギリスでは2008年から2012年にかけて放送されたドラマでしたが、途中から見るのが嫌なので見たことはありませんでした。でも、最初から見れるなら見てみようと今少しづつ見ています。これはアーサー王物語に登場する魔術師・マーリンを主人公としたファンタジードラマです。6年程前、ウォーリック城(Warwick Castle)へ行ったとき、洗脳されるくらい「マーリン」のドラマ音楽が何度も何度も繰り返しかかっていたのを思い出しました。というのも、ウォーリック城はアーサー王伝説とゆかりの深い歴史ある要塞だったんですね。何かイベントをやっていたんだったかな?
ウォーリック城
舞台はキャメロット王国(Camelot)。生まれつき魔法の才能を持った若き魔術師マーリンが母の考えに従い、キャメロット王国の宮廷医師に師事するところから物語は始まります。ある日、マーリンは不思議な声を聞き、地下に閉じ込められたドラゴンと出会うと、ドラゴンは王の息子アーサーが将来アルビオンの地を統一すると予言し、マーリンにはアーサーを守る使命があると告げるのです。因みにアルビオンとは最も古いブリテン島の名称。初めはお互い気に食わなかった2人ですが、マーリンがアーサーの命を救ったことから彼の従者となり、互いに信頼し合う仲になります。でも、毎回ドラマを見るたびに思うのです。伝説の怪物や魔術が存在する中世のイギリスを描いているのに、王ユーサー・ペンドラゴン(アーサーの父)がこれまた頑固で魔術を禁じ、見つければ処刑だと騒いでいる。だから、表立って魔法が使えないし毎回トラブルとなっている。一番のネックはパパじゃないのか。。。
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さて、マーリン(アンブローズ・マーリン;Ambrose Merlin)は、12世紀の偽史『ブリタニア列王史(Historia Regum Britanniae)』に登場する魔術師です。偽史。つまりは事実ではなく、まるで本当の出来事のように作られた歴史と言う事です。ウィキペディアによると、彼はグレートブリテン島の未来を予言し、ブリテン王ユーサー・ペンドラゴンを導き、ストーンヘンジを建築したとされています。後の文学作品ではアーサーの助言者としても登場するようになったそうです。それがこのドラマのベースになっているんですかね?
マーリンは『ブリタニア列王史』ではあたかも実在の人物であるかのように描かれていますが、実在のローマ系ブリトン人将軍アンブロシウス・アウレリアヌスと、半伝説的なウェールズの隠者マルジン・ウィスルトの物語を組み合わせて作られた人物とも言われています。そして、のちの15世紀、薔薇戦争の時代、ヘンリー7世が自らをマーリン伝説に言う「予言の子」と位置付けて、「赤いドラゴン」を自らの紋章に刻んだことで、マーリンというキャラクターがブリテン島を代表する魔術師と見なされるようになったようです。さてこのドラマ、65話もあるのでしばらく楽しめそうです。
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