アンダーシャフト
ハンス・ホルバインが晩年住んでいたというオールドゲート(Aldgate)の聖アンドリュー・アンダーシャフト教会(St Andrew Undershaft)区。先日調べていて、ただ単純に変わった名前だなぁって思ったのでした。
1147年に建設、1532年に再建されたというこの教会。もちろんここだけじゃないけど、近代的な建築物と古い建物が並んでいるのを見るとなんだか不思議な空間だなって思ってしまう。調べてみたら、実はこの「アンダーシャフト」という名前には理由がありました。1517年まで、現在のガーキン(The Gherkin/30 St Mary Axe)の隅に、毎年春にメイポールが設置されたそうなんです。私には馴染みがないので、詳しいことは分かりませんが、メイポールとはヨーロッパの五月祭で行われる(ていた)メイポールダンスの(写真下)の支柱のことです。
Source; Wikipedia
Elisa.rolle / CC BY-SA (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)
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Source; Wikipedia
Maypole Dancing on Village Green Children from Tewin Cowper School Maypole dancing 2009 |
「シャフト(shaft)」というのは軸、ポールの意味があり、どうやらここのポールはかなり高さがあったようなのです。つまりここの教会の塔はポールよりも低かった。なのでシャフトより下という事で「アンダーシャフト」として知られるようになったのだとか。意外と単純な理由でしたが、そのまま名前になってしまったというのが面白い。
結局、暴動を理由にメイポールは取り除かれ、祝祭も1517年以降廃止されてしまったそうなのですが、現在、チーズグレーター(the Cheesegrater)というビルの下に、この名残として小さいながらメイポールのレプリカが残されているそうです。
因みにオールドゲートという地名の由来については諸説あるようですが、ロンドン・ウォールのゲートに由来し「全ての人に開かれた、自由なゲート」を意味する『アエルゲート(Aelgate)』から来ているとも言われています。
参照;
- https://en.wikipedia.org/wiki/St_Andrew_Undershaft
- https://lookup.london/city-church-called-st-andrew-undershaft/
- What's in a name?, Cyril M. Harris, publish in co-operation with London Transport Museum
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