リング・ア・リング・オー・ローゼズ

イギリスのナーサリー・ライム(Nursery Rhymes)の一つ、『リング・ア・リング・オー・ローゼズ(Ring-a-Ring-o' Roses)』は、子供たちが手をつないで輪になって歌う唄です。イラストにもあるように、なんだか子供の笑顔が浮かぶようなほのぼのとしたイメージですよね。ナーサリー・ライムとは、韻(ライム;rhyme)を踏んだ、マザーグースの名でも知られているわらべうた・伝承童謡のことです。でも、ナーサリー・ライムに限らず、日本の童謡にも、実は裏の怖い意味を持つものがありますよね。

Source; Wikimedia
Ring a Ring a Roses by Myles Birket Foster;1825-1899

Ring-a-Ring-o' Roses
Ring-a-Ring-o' Roses,
A pocket full of posies,
Atishoo! Atishoo!
We all fall down.

バラの花輪だ 手をつなごうよ
バラの花輪だ 手をつなごうよ
ポケットに 花束さして
ハックション! ハックション!
みいんな ころぼ
(日本語訳 Source; Wikipedia)
実はこの歌もその一つ。ウィキちゃん(Wikipedia)によると、この歌詞の起源には2つの説が存在するそうです。一つは1664-1666年にロンドンで大流行したペスト(Great Plague)に由来する説。ここで言う「バラ」はペストの症状として現れる赤い発疹、「花束」はペストを防ぐための薬草の束、「ハックション」は病気の末期症状、そして「ころぼ」は死を意味しているというのです。そして、もうひとつは「五月祭」で飾られたバラの花輪の名残とする説だそうです。子どもたちが手をつないで輪になって踊り、「fall down」は、ころぶのではなく、最後に行われたおじぎに由来するという説です。でも前者の方が不気味だからでしょうか?こちらの方が一般的に知られていると思います。実際には、症状が一致しないとか、20世紀半ばまでペスト説がなかったことから、多くの民俗学者はペスト説には否定的です。

真実は分かりません。でも多くのナーサリー・ライムは英国の歴史に起源を持っているのも事実です。この他にも裏の意味を持つナーサリー・ライムは多く存在するんですよね。ライムは様々な理由でつくられたといいます。それは、忘れられてきたある地域の出来事を称えるため、愛の気持ちを表現するため、政府や王族などに対する不満を隠すため、そして、何より覚えやすく、口コミで広まる可能性があったためです。これは当時の読み書きができない多くの人々にとって不可欠な機能だった訳なんですね。そして、本来の意味を忘れ、娯楽を装って暗号化されたメッセージが現代に残されているのです。

真実はともあれ、病気除けとしてポケットにもハーブや花などを入れていたことも興味深いですね。ハーブの効果は広く知られていますが、かつて人々は匂いが病気の原因であると信じていたために身につけたりしていたそうです。ペストを治すほどの効果はなかったにしても、藁にもすがる思いだったに違いありません。

さて、東日本大震災から9年。当時まだ仙台にいた私は、あの時感じた虚無感を今も忘れることは出来ません。そして今度はコロナ・ウィルス。どの時代にも繰り返し災いは襲ってきます。ただ思うのは、様々な分野で発展を遂げた現代に生きていても、国や医療という隠れ蓑に守られている気がしているだけで、実際には人間裸一貫なんだなということ。どの時代にも自分たちの身は自分たちで守るのが前提にあるのに、昔の人々に比べると、現代人の自分はそういう意識が薄れていたように思う。イギリスでもコロナ感染者が増え続けるばかりで、徐々に緊迫感が漂ってきた感じです。私の住む町でマスクをしている人はまだいません。特に推奨もされていないのでどうなんでしょう。近くの町でも感染者が確認されたようですし、スーパーでも品薄の棚が目につくようになってきました。旦那はんも今日から在宅勤務です。今は自分たちができることをするしかない。そして祈るのみ。基本、個人がやってることは昔と何も変わりませんね。本当に早い終息を祈るばかりです。

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