白鳥の話。
地元の池に白鳥が来てました。イギリスでよく見掛けるこの白鳥はコブハクチョウ(mute swan)と呼ばれ、全身白色で大型、オレンジ色のくちばしと、その上部付け根に黒いコブのような裸出部があるのが特徴です。やっぱり近くで見ると大きい。。
イギリスでは中世時代、このコブハクチョウは貴重な商品と見なされ、貴族の間で定期的に取引されていました。所有者は白鳥のくちばしに印を付けることで、自己財産を示す義務があったそうです。そして、王室が全てのコブハクチョウの所有権を主張したことから、今日でもマークのない全てのコブハクチョウの所有権は女王にあると言われています。そう、ぜーんぶ女王様のもの。実際に所有権を行使しているのはテムズ川とその周辺支流の特定範囲のみのようですが、その名残と伝統は現在でも引き継がれ、毎年7月第3週に5日間かけてテムズ川で『スワン・アッピング(swan upping)』と呼ばれる白鳥調査が実際に行われています。ちょっと驚きですよね。
イギリスでは中世時代、このコブハクチョウは貴重な商品と見なされ、貴族の間で定期的に取引されていました。所有者は白鳥のくちばしに印を付けることで、自己財産を示す義務があったそうです。そして、王室が全てのコブハクチョウの所有権を主張したことから、今日でもマークのない全てのコブハクチョウの所有権は女王にあると言われています。そう、ぜーんぶ女王様のもの。実際に所有権を行使しているのはテムズ川とその周辺支流の特定範囲のみのようですが、その名残と伝統は現在でも引き継がれ、毎年7月第3週に5日間かけてテムズ川で『スワン・アッピング(swan upping)』と呼ばれる白鳥調査が実際に行われています。ちょっと驚きですよね。
なぜコブハクチョウが「貴重な商品」だったのかというと、宴会などでの重要な食料源だったからです。中世時代はハクチョウに限らず、クジャク、ウズラ、コウノトリ、ツル、ヒバリなど狩猟の獲物になった鳥はなんでも食べられていたんですね。もちろん一般の小作人(Peasant)が普段口にすることなどない極上品です。スワン料理でいえば、ヘンリー8世やエリザベス1世の宮廷ではロースト・スワンが好まれ、黄色いペッパーソースが添えられたりしたそうです。今では、白鳥が食されることはなくなりましたが、あるスワン・ハンターは、ハクチョウの味はダック(canvasback duck)に似ていて、柔らかく、マイルドで、すっきりした味だと表現しています。宮廷で重宝されたくらいですから美味だったのでしょう。
Source; Wikimeia Kitchen Scene/ Adriaen van Nieulandt II |
パブの名前でも『スワン(SWAN)』というのを見掛けますね。当時、ほとんどの人が貴族などに忠誠を尽くし、村は荘園制のもとに存在しました。争いの際には、愛国心を示すため、領主への支持を示すために雇われたんですね。そのような背景から、王室紋章から取られた名前は、中世を通して人気があったそうです。ちなみにスワンはヘンリー5世のエンブレムの一部になっています。スワンは他にも紋章(Coat of Arms)などでも使用されているので、イギリスでは昔からとても意味のある存在だったことが分かります。でも白鳥って、その美しさとは裏腹に意外と攻撃的で怖い一面もあるんですよね。
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