不気味な地名のはなし。その1

ハロウィーンが近づいているので、今回はイギリスに実在する不気味な地名について書いてみたいと思います。

ギベット(Gibbet);ギベットとは絞首刑執行人の死体を吊るす絞首台・さらし台のことです。1670年代、キャクストンという村近郊で、殺人犯が絞首刑にされ、そのまま遺体をさらし者にされたという物語があります。記録により1745年までそこにギベットが存在していたことが分かっています。写真はレプリカ。その小さな丘はキャクストン・ギベット(Caxton Gibbet)と呼ばれているそう。

同様の意味でギャロウ(gallows)という言葉があります。個人的にギャロウは映画で見るような、もっとしっかり作られた枠のような絞首台なのではないかと思うんですが、どうなんでしょう?ギベット/ギャロウがよく設置されていた田舎道のジャンクションなどでは、ギャロウ・ツリー(Gallows Tree)、ギャロウズ・ゲイト(Gallows Gate)、ギベット・コーナー(Gibbet Corner)、ハンガー・レーン(Hanger Lane)、ハングマンズ・フォーリー(Hangmans's Folly)、ジギティ(Giggetty)などといった名前が付いているそうです。旅の途中でさらし者に遭遇したら怖い気がしますが、沢山あるんですね。不気味です。

Photograph © Andrew Dunn, 08 September 2006.
Website: http://www.andrewdunnphoto.com/

ダッキング・ストール(Ducking Stool);ダッキング・ストールとは懲罰用の水責め椅子のこと。頑丈な木製の椅子で、受刑者を椅子に縛り付けて池や川などの水に浸すというもの。たまに歴史映画などにも登場します。魔女、私生児を生んだ女性、売春婦、違法な結婚などの罪を罰するために使用されたのだとか。個人的には何となく女性に対する懲罰器具というイメージがありましたが、男女ともに使用されたそうです。クライストチャーチ(Christchurch, Dorset)には、その懲罰にちなんだダッキング・ストール・レーン(Ducking Stool Lane)という通り名があります。この懲罰が廃止になったのは19世紀になってから。現在も、エイボン川(River Avon)に面して水責め椅子(写真)が見られるそうです。

Source; http://www.bbc.co.uk/

因みに、その原型?として『カッキング・ストール(cucking-stool)』というものがあり、便座に座らせて恥辱を与える道具がありました。こちらは女性対象。もともと水に浸す(duck)事とは関係なかったそうなので、水責めの要素が加わり、訛って『ダッキング・ストール』と呼ばれるようになったのではないかと考えられています。 理由を知るとなかなか不気味な名前であることが分かりますね。続く。


Source; Wikipedia



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