くりぷと。

クリプト(crypt)とは、もともと「隠す」という意味のラテン語『crypta』、ギリシャ語『kryptē』に由来するそうで、教会や城の床下(地下)にある石造りの部屋、貯蔵室を意味します。石造の地下と言うと、暗く不気味でジメジメしたイメージがあります。以前訪れたある城の地下室は、確かにひんやりと気温が低く、そこで食料を保存していたとありました。今でいう冷蔵庫のような役割を果たしていたんですね。クリプトというと今はもっぱら教会の地下礼拝堂や納骨所を指す言葉として用いられることが多く、高位の聖職者や高貴な人物の石棺・遺物などが納められていたりします。

 
ギリシャ神話の『ハーデース(Hades)』など、地下に死後の世界があるとする信仰・伝説は世界各地にあるそうなんですね。日本神話の『黄泉の国』も、漢語で「地下の泉」を意味し、地下の死者の世界という意味があるのだとか。知らなかった。単純に綺麗なお花畑のそばを流れる三途の川の向こう側にある死後の世界だと思っていました。。。

因みに、教会のクリプトで気になったこちら。PXの文字が確認できますが、これはギリシャ語でキリストを意味する「χριστός」の最初の2文字;カイ(chi)とロ(Ρ)を重ね合わされて構成されたクリストグラムで、キリスト教初期のシンボルの一つだそうです。
 

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