モル・イン・ザ・ワッド

先日、トライアンギュラー・ロッジにまつわるフォークテール(Folktale)に触れました。バイオリン弾きが報酬を受け取って不思議な建物の真っ暗な地下通路を探索し、行方不明になったと思ったら、地球を突き抜けてオーストラリアに辿り着いていたというお話です。彼は通路の中でお気に入りの曲をバイオリン演奏するんですね。それが『モル・イン・ザ・ワッド(Moll in the Wad)』という曲でした。ふと、それは実在する曲なんだろうかと気になったんです。そもそも、フォークテールというのは、実話なのか半信半疑というか、つくり話だと分かっていても事実と結び付けられていたりするお話が多いですよね。そして調べてみたらありました。実在する曲だったんですね。

『モル・イン・ザ・ワッド』はダンス音楽として、18世紀後半から19世紀初頭にかけて人気がありノーサンプトンシャー(Northamptonshire)で踊られていたことが分かっているそうです。物語の舞台、トライアンギュラー・ロッジがあるのもノーサンプトンシャー。

タイトルにある 『モル(Moll)』にはギャングの愛人とか売春婦的な女性の意味があり、『ワッド(Wad)』とは、かつて「ワラの束」を意味したそうですが、「森」という意味で使われているそうです。

軽快な音楽。タイトルのイメージとは異なり、どちらかというと悪戯好きな感じがしますけどね。この曲を聴いて、私は映画『タイタニック』でジャックとローズが三等客室のダンスパーティでダンスを楽しむシーンを思い出しました。あのシーンで使われていた曲はアイルランド音楽でしたが、この『モル・イン・ザ・ワッド』も、元々はアイルランドの曲と考えられているそうです。だからちょっと雰囲気が似ていたんですね。

 

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