ドローレリー

日本国宝の絵巻物の一つ『鳥獣人物戯画』にはウサギやカエル、サルなどが擬人化されて描かれていますよね。私は特別展など見たことはないのですが、あれに出てくるウサギの絵が好きです。以前、日本へ帰省した際にクリアファイルやスタンプを見つけて買ってきました。

イギリスでも、中世のマニュスクリプト(写本)にはウサギやモンスター、半獣人、サルなどの奇妙なイメージ画が登場します。これらの多くはページの隅に小さく描かれた装飾的なイラストで、ドローレリー(drollerie/ drollery)と呼ばれるものです。ドローレリーは1250年から15世紀にかけて人気があったそうですが、これらに登場する巨大ウサギがちょっと怖い。。。


Source; https://dangerousminds

鳥獣人物戯画も「日本最古の漫画」と称されていますけど、風変わりな発想が確かにマンガっぽくて面白いと思うんですよね。僧侶たちが退屈しのぎに、ブラック・ユーモアたっぷりこれらを描いたのでしょうか?うさぎは無邪気で臆病な生き物というイメージを逆転させ、人間の臆病さや愚かさを示すために、うさぎの復讐というイメージで描かれているのだとか。確かに立場が逆転しています。。。

 
そして、流血シーンまであるよ。。。
 
 
人間狩り?と人間逆さ吊りも。



イギリスでウサギというと、ついついピーターラビットとか不思議の国のアリスに出てくる白うさぎなど可愛いキャラクターをイメージしてしまうんですが、斧を振るウサギって、中世に描かれたものなのに逆になんだか斬新だわ。ちなみに以前、姪っ子とお話していた時、ピーターラビットって何?って言われてしまいました。。。今どきの若い子はピーターラビットを知らないんですね。興味がなければそんなものか。
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