かーふゅー・べる。

子どもの頃、午後5時になるとチャイムが鳴って、そろそろ帰らねばと思った記憶があります。何のメロディーだったか覚えてないけど、あのチャイムは「防災行政無線の確認」という目的があるそうですね。東京に滞在していた時も毎日聞いていました。

さて、中世イングランドでは「火を消しなはれ、もう消灯時間ですぞ~」的な意味で午後8時頃にベルが鳴らされていました。そのベルを『カーフュー・ベル(curfew bell)』と言うそうです。英語の「カーフュー」には門限、消灯、外出禁止などの意味があります。ウィキちゃんによると、もともとは古フランス語の『carre-feu』あるいは『cerre-feu』に由来し、炎にカバーすることを意味したようです。さらには『couvre-feu』と呼ばれる金属の火消し道具(下図)まであったのだとか。むろん、裕福な家で使用されていた道具ですけど。。。

couvre-feu
Source; Wikipedia

かつての人々の家は茅葺屋根の木造住宅がほとんどでしたから、火災という不安が常にあったのです。火をつけたまま眠りにつく人もいて、火事になることもあった。また、密集した場所では隣家に燃え移る可能性もあった。だから、安全のためにイングランドを征服したウィリアム1世(William the Conqueror;c1028-1087)が、ベルが鳴ったら火を消すという法律(The curfew law)を定めたらしいのです。ただし、ベルを鳴らす習慣はもっと古く、アルフレッド大王(Alfred the Great;849-899)の時代に始まったとされているようですけどね。のちに、ベルの目的も変化したり、『伝統』として守られてきたようです。

そういえば、東京の下町で夜に聞えてきた男性の声とカンカンという拍子木。おやおや?と思ったら今では珍しい「火の用心」の夜回りでした。正月には杵臼による餅つきなんかも見掛けたし、日本の田舎よりも、東京の下町の方がよっぽど『伝統』を大事にして、今に伝えているんだなぁと実感したのでした。

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