ロー・カントリーズ。

先日、ノーリッジ(Norwich, Norfolk)にある『ストレンジャーズ・ホール(Strangers' Hall)』に行ってきました。ここは14世紀の建物(数世紀の間にかなり増築が繰り返されている)を利用した博物館になっており、各時代毎に部屋が再現されています。


なぜに「ストレンジャーズ」というのかしらん?って思っていたけど、外国人とのつながりに由来するようです。ノーフォークは北海に面し、昔からロー・カントリーズ(Low Countries)との貿易が盛んでした。ロー・カントリーズは日本語では低地帯諸国となっています。現在のベルギー、オランダ、ルクセンブルクなどを指すそうです。そういえば、ネーデルラントという言葉もありましたね。

むかーし昔、イギリスは大陸続きだったという話を、「ドッガーランド」でも触れましたが、ノーフォークとオランダって113マイル(約182㎞)しか離れていないそうです。ノーフォークのちょっと下にあるハーリッジ(Harwich, Essex)からはフェリーも出ているしね。そんな訳で、昔から身近な国でもあるのです。

ノーリッジにはロー・カントリーズから多くの人々が移り住みました。中世時代には、低迷した繊維工業立て直しのために職人の移住が奨励されたり、4,000人以上のプロテスタント亡命者が移り住んだり、一時はノーリッジ人口の約1/3をロー・カントリーズから来た人々が占めていたのだとか。最初は言葉も英語とオランダ語が混ざり合っていたし、移住をよく思わない人たちもいたのだそうですが、次第に馴染んでいったんですね。

『ストレンジャーズ・ホール』は、裕福な商人たちが住んだり、かつてのメイヤー(Thomas Sotherton; 1525-1583)などが住んだ屋敷でもあり、多くの外国人が登録、あるいは一時滞在のために訪れた場所なのです。

 
そんな屋敷にはチューリップの模様の入ったこんな立派なオーク材のチェストが置かれていました。当時、チューリップは高価な花だったそうです。


参照
  • Norfork and A Low Countries; Shared History
  • Strangers' Hall, History and guide

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