クリスマス・ハンパーが届く。

旦那はんの知り合いからワインやお菓子の入ったクリスマス・ハンパー(Christmas Hamper)が届きました。クリスマス・ハンパーとはこの時期、ギフトとして送られるバスケット(箱)に入った食品の詰め合わせのこと。実は、ハンパーって伝統的な英国文化でもあり、その歴史は意外と古いのです。それは11世紀にまで遡り、イングランドを征したウィリアム征服者(William the Conqueror)が、イギリスにハンパーをもたらしたと信じられています。11世紀のイギリスでは、ハンパーに食べ物や飲み物、さらには衣類が入っていたそうです。それらのバスケットは慈善活動として貧民や貧しい家庭に与えられました。ひと家族が一週間以上過ごすことのできる量が入っていた場合もあったそうですから、手にした人はさぞかし嬉しかったでしょうね。

そもそも「ハンパー(hamper)」とは、イギリスではふた付きのかごを意味し、もともとはフランス語で「コブレットの箱(a case for goblets)」を意味する「hanapier(ハナピア?)」という言葉に由来しているそうです。コブレットとは台と脚の付いた取っ手のないグラスのこと。

1706年になると、人々は駅馬車(stagecoach)を利用して旅行を始めました。そうなると乗客は旅の途中で食べ物や飲み物が必要となり、食料の入ったハンパーは多くの旅行者の間で人気となりました。ピクニックも同じですね。

ビクトリア朝時代、最初は裕福な人々がバスケットに飲み物や食べ物を詰めてクリスマス時期の贈り物としていたようですが、1800年代後半に鉄道が普及すると、遠くに住む家族や友人へのプレゼントとしてクリスマス・ハンパーを送ることが容易となり、人気が高まったようです。

時代の変化とともに、内容は多様となりましたが、クリスマスに限らず大切なひとへの贈り物として今もその風習が残っているんですね。こうやって何となく特別なものとして次世代へ受け継がれた行為が伝統へと変わっていくんですね。やっぱり届くと嬉しいクリスマス・ハンパー。今年はこれで楽しみながら過ごせそうです。

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