ピクト人のシンボル・ストーン

古くからスコットランドのハイランド地方を支配し、今では絶滅したピクト語(Pictish)を話していたとされるピクト人。詳細はほとんど知られておらず、謎だらけの部族とされています。以前にもいくつかブログに書きましたが、『ピクト(Picti)』とはラテン語で、「体を彩色していた人々/刺青をしていた人々」を指し、古代ローマ人が名付けたものです。

スコットランドには、ピクト人がつくった『シンボル・ストーン/ピクティッシュ・ストーン』と呼ばれる不思議な石が多く残っています。一見見ると、バイキングが残したルーンストーンみたい。でもそこには、ピクティッシュ・シンボルとして知られる独特なシンボル模様が刻まれているそうです。シンボルの種類は定かではありませんが、約30~40位あると推定されています。

    Source; Wikipedia
    The Dunnichen Stone.; Type I Pictish stone found at Dunnichen, Angus,
    Own work, Catfish Jim and the soapdish

    シンボル・ストーンはスコットランド全土で発見されているそうですが、元々の場所は主に低地の北東部、ピクト人の中心地に集中しているそうです。そのほとんどは現在、博物館などに移され保護されていますが、今でも元の場所に立っているものもあるそうです。時代によっても異なるため、3つに分類されています。
    • クラスIシンボルを刻んだだけの未加工の石。両側に十字架は無し。時代は6~8世紀のもの。
    • クラスII大体が長方形の石。大きな十字とピクティッシュ・シンボルが片面、または両面にある。キリスト教のモチーフ同様、シンボルは浮き彫りにされ、その周囲の十字架には模様が施されている。時代は8~9世紀。
    • クラスIII独特なピクティッシュ・シンボルは備えていない。石は十字架、横たわった墓石、模造石など。

    Source; Wikipedia
    Distribution of Class I and Class II stones,
    as well as caves holding Pictish symbol graffiti

    つまり、初期(クラスI)のシンボル・ストーンは、主にピクト人へキリスト教が広がる以前のものと考えられているようです。これらの文様は何の為に描かれ、何を意味していたのでしょう?言葉が失われてしまっているだけに興味が沸きます。主なシンボルは以下のようなもの。生物たちは意外と明確ですね。

    Source; pictishstonetrailfinal.pdf (banffmacduffheritagetrail.co.uk)

    もう一度行こうと思って、一度しか行けなかったスコットランド国立博物館(National Museum of Scotland)だとか、もちろん大英博物館(Biritsh Museum)にもピクティッシュ・ストーンは展示されていますが、当時は意識して見ていなかったので全く記憶にありません。。。いつになるか分からないけど、また世の中が普通に戻ったらじっくり見に行きたいな。

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