サザーク

英語には綴りとは異なる発音の単語や名前と言うものが沢山ありますよね。その一つが『Southwark』。サウスワークではなく、「w」はやんわり、「o」はほぼ無視してサザーク(sʌðərk)と発音します。サザークはロンドン・テムズ川(the River Thames)の南側に面するエリアです。

Southwark Cathedral

紀元前43世紀、ローマ軍がやって来ると、彼らはすぐテムズ川に木造の橋を架けたとされています。ロンディニウム(Londinium)から架けられたその橋の先が、ここでお話しするサザーク地区です。この地域は後に小さな集落として栄え、10世紀初めにはアングロ・サクソン人により、「サリーの人々の砦(Fort of the men of Surrey)」を意味する『Suthriganaweorc』と記されました。さらにドゥームズデイ・ブック(Domesday Book)には『Sudweca』と記され、「南の防御活動/砦(Southern defensive work or fort)」を意味し、それは非常に古い古英語の「sūþ(south)」と「weorc(work)」に由来すると考えられているそうです。地名の起源は「南」にありながら、サウスとは発音しない。面白いですね。これには特別な意味がある訳でなく、単に稀な例に過ぎません。「南」というのはロンドンを基準に南部に位置したからで、サザークはロンドン・ブリッジ(London Bridge)の南端にあります。

残念なことに、征服王ウィリアム(William the Conqueror)は、1066年にサザークを焼き払っているそうです。それでも中世には繁栄し続けました。下図は1572年のロンドンの地図。テムズ川に渡る一本の橋がロンドン・ブリッジです。1750年にウェストミンスター・ブリッジが掛けられるまでロンドン市内ではテムズ川に架かる唯一の橋でした。 つまり、サザークが主要な場所だったことが分かります。事実、この地域にはかつてたくさんの馬車宿が存在したそうです。ところが1676年の大火災でその多くを焼失してしまいました。

Source; Wikipedia
Map of London, Georg Braun; Frans Hogenberg

Source; Shakespeare's London on 5 Groats A Day, Cichard Tames
Thames & Hudson

サザークには、1024年には既に存在していたというロンドン最古の果物・野菜市場;バラ・マーケット(Borough Market)や、12世紀から1780年まで運営されていた刑務所クリンク(The Clink)、文豪チャールズ・ディケンズも足を運んだというジョージ・イン、シェークスピアにゆかりのあるグローブ座やサザーク大聖堂、近年のものでは超高層ビルのザ・シャード(The Shard)なども位置しています。

Shakespeare Memorial at the Southwark Cathedral
参照;

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