ベックルズ

先日、電車を乗り継いでサフォークにあるベックルズ(Beccles, Suffolk)というマーケット・タウンに行きました。まずは教会のタワーを目指して歩きます。が、この教会、ちょっと変わってました。通常、教会のタワー(鐘楼)というものは西端、祭壇の反対側の端に建てられるのが慣習ですが、ここのタワーは東側に位置し、しかも教会とは切り離され、孤立して建っていたのです。訳ありだ。


このベルタワーは1500年に建てられ、建設に40年を要したそうです。実は教会がウェイヴニー川(River Waveney)を見下ろす崖の縁に位置しており、巨大な塔の重量(約3000トン)を支えるには危険だろうということで計画を変更し、通例の西側ではなく東側に建てられたそうなのです。


このタワーは1972年にタウン・カウンシル(Beccles Town Council) に売却され、現在はカウンシル(Waveney District Council)とベックルズ・ビジネス協会(Beccles Business Accs.)が管理しています。つまり教会所有のタワーではなかったんですね。中に入ると小さなツーリストインフォメーションセンターになっており、ちょうど行った時はタワーを一般公開していました。タワーのてっぺんまで122段。狭く急な階段を上っていきます。階段は石ではなく板が使用されており、表面がすり減って大きく湾曲していたのが印象的でした。


もちろん階段は一方通行ではないので、ボランティアの人たちがトランシーバーを使って、上と下で人の行き来をコントロール。タワーの2階は10本の鐘を鳴らすリンギング・チェンバー(the Ringing Chamber)、3階は屋根裏部屋とも呼ばれるクロック・ルーム(The Clock Room)、4階は鐘が保持されているベル・チェンバー(Bell Chamber /Bellfry)に別れていました。時計は18世紀初めにタワーの北側、南側、東側に掛けられたそうなのですが、西側にだけないんですね。それは川を挟み西側に位置するノーフォークの人々は、別にこの時計にお金を払う訳でもなし、ただで時間を教える必要もないだろうという事だったみたいです。。。ちょっとイジワル。


最後の階段を昇り詰めると屋上に辿り着きました。高層タワーではないけれど、見晴らし抜群。下にはベックルズの街並みと、そしてウェイブニー川の向こうには、広大で平坦なノーフォークの景色が広がっていました。東京はここから南東方向5,830マイル(約9,382km)先って書いてありました。遠いねぇ。。。


余談ですが、トラファルガー海戦で英国を勝利に導いた提督として知られるホレイショ・ネルソン(Horatio Nelson)。ロンドンのトラファルガー広場の中心に据えられているネルソン記念柱(Nelson's Column)のモニュメントは有名ですよね。そんな彼の両親(Edmund Nelson; 1722-1802, Catherine Suckling; 1725-1767)が結婚式を挙げたのは、このベックルズの教会(St. Michael's Church)だったそうです。

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