ダウン・バイ・ザ・サリー・ガーデンズ

あるドラマを見ていたら、冒頭シーンで流れていた曲が気になって調べてみた。『ダウン・バイ・ザ・サリー・ガーデンズ(Down By The Salley Gardens)』というアイルランドの伝統的なバラッドでした。この歌詞は、アイルランドのある農婦がよく歌っていた詩を、同じくアイルランドの詩人イェイツ(William Butler Yeats; 1865-1939)が編集したものだそうです。彼は子供時代スライゴ(Sligo, Ireland)の町周辺で過ごしています。その町の近く、バリサダ(Ballysadare)という村の川岸では、住民が茅葺屋根の材料となる木を栽培していたそうです。茅葺屋根の材料というのはエニシダ(broom)、スゲ(sedge)、やなぎ(sallow)、亜麻(flax)、草(grass)、わら(straw)など多様で、イングランド南部では麦わら、イースト・アングリア地方では葦、イングランド北部やスコットランドではヘザーが頻繁に使用されていたそうです。

さて、この歌詞にある『サリー(Salley)』とは「sallow」の異形で「やなぎ」を意味するのだそう。サリー・ガーデンズ。つまり、「やなぎを栽培している庭のほとり/下ったところで」という意味合いになります。「愛は気楽に」、「人生は気楽に」。この歌詞を読んでいたらちょっと切なくなりました。二人、別れちゃったんですね。。。「気楽に」というより、「素直に」ということなのかな。ちょっと自分の過去を思い出しました。。。それでは、ケルティック・ウーマン(Celtic Woman )の元メンバー、オーラ・ファロン(Orla Fallon)の美しい歌声でどうぞ。  

 
Down By The Salley Gardens
William Butler Yeats, 訳/i-adnes

Down by the salley gardens my love and I did meet;
 She passed the salley gardens with little snow-white feet.
 She bid me take love easy, as the leaves grow on the tree;
 But I, being young and foolish, with her did not agree.
In a field by the river my love and I did stand,
 And on my leaning shoulder she laid her snow-white hand.
 She bid me take life easy, as the grass grows on the weirs;
 But I was young and foolish, and now I am full of tears.

柳の庭を下ったところで愛する人と逢った
 彼女は雪のように真っ白な足で 柳の庭を通り過ぎた
彼女は言った 木の葉が茂るのと同じように愛は気楽に
だけど 若くて愚かな僕は 彼女に賛成できなかった
 
川のほとりの草原に愛する人と立っていて
彼女は雪のように真っ白な手を 僕のもたれかかった肩に掛けた
彼女は言った 川辺に草が茂るのと同じように人生は気楽に
だけど僕は若く愚かだった 今は涙で一杯だ

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