ハンプトン・ロード・フェリー

蒸気機関車が出発して程なく、セヴン川(River Severn)沿いにあるハンプトン・ロード(Hampton Loade)という集落に差し掛かりました。義父曰く。昔はここに渡し舟があったんだよ。その名残?なのか、対岸に桟橋なるものがチラホラ見えました。


ハンプトン・ロードとその対岸にある集落ハンプトンとを結ぶこの船は、「ハンプトン・ロード・フェリー(Hampton Loade Ferry)」と呼ばれ、1600年以前から存在していたそうです。因みにこの地名のロード『Loade』とは、古英語の『Lode』から派生した言葉で、もともとは「フォード 、川を渡る、フェリーのための」というような意味があるのだとか。ここのフェリーはリアクション・フェリー(reaction ferry)と呼ばれ、対岸に渡された固定ケーブルと滑車装置を用い、水の流れを利用して斜めに渡るのだそうです。

ウィキちゃんからの写真(下)は、2004年に新たに建造された最大12人乗りフェリー。ところが2007年の洪水で、この一帯は(蒸気機関車の)鉄道駅も含め、大被害を受け、オーナーは廃業を余儀なくされて売却しまった模様。。。その後、地元有志により、歴史あるハンプトン・ロード・フェリーを保存しようとチャリタブル・トラスト(慈善信託; Charitable Trust)が設立(2009)されたようですが、再開の見通しもたたぬまま、現在もフェリー運営は中止しているようです。このフェリーを利用した場合、最寄りの橋を渡るよりも徒歩の人であれば1時間以上の時間節約になったそうですから、地元の人々にしてみれば貴重な交通手段だったのでしょう。近年ではイギリス唯一のリアクション・フェリーだったそうなので残念ですね。

Source; Wikipedia
Hampton Loade reaction ferry, 24 July 2004
© Simon Robinson, 2004
参照;

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