ブック・シーフ

マークース・ズーサック(Markus Frank Zusak; 1975-)の小説を元に作られた映画『The Book Thief; 2013(邦題;やさしい本泥棒)』。新しい映画じゃないけど、この前テレビで放送されていたので初めて見ました。舞台は第二次世界大戦直前のドイツ。ナチスドイツを描いた作品は、たいてい気分が重くなるので最近は避けていたのだけれど、この作品はそういう緊迫した重々しい時代の中での人間の優しさが描かれていて、ちょっと心温まるお話でした。主人公は里子に出された女の子。これまで読み書きができなかった彼女は、文字を学び、文章を読むことの楽しさを知るのです。そして淡い恋とユダヤ人の青年。彼女を支える義両親の優しさにグッときます。個人的には家族で密やかに祝うクリスマスのシーンが印象的でした。ああいうクリスマスは一生忘れないだろうな。やはり最後は泣けましたが、絶望感に包まれるのではなく未来へつながるような終わり方で見易かったと思います。戦争という非常事態の中で、人間はどれだけ優しさを失わずに生きられるものなのだろうか。。。どれだけの人が他人を思いやり、命を失っていったのだろうか。と、ふと疑問に思った作品でした。

 

コメント