バイユー・タペストリー

チャリティーショップで『バイユーのタペストリー(The Bayeux Tapestry)』の本を見つけました。前にも書きましたが、『バイユーのタペストリー』とは、ノルマンディー公(ウィリアム1世)がイングランドを征服するという、イギリスの歴史を揺るがした1066年の大きな出来事;『ノルマン・コンクエスト』の物語を描いた有名な刺繍画です(長さ230ft;約70m)。
 
タペストリーは、一言でいえば織物。でも実際に、これはインブロイダリ(刺繍)なので、厳密にいえば間違いということになるのですが。。。配色と言い、デザインといい、この大作は素晴らしいなって思うんです。 頻繁に使用されているのが、主にテラコッタの赤(terracotta red)、ブルーグリーン(blue-green)、セージグリーン(sage-green)、もみ革色(buff)そして青(blue)の5色。使用された糸も、全体を通して一致するように大量に染色されたに違いありません。
 
これは征服の記念として、ウィリアム1世の異父弟であったバイユー司教のオドが作らせたものと考えられています。オド司教はケント伯(Earl of Kent)でもあったことなどから、おそらくカンタベリーでデザインされ、イングランド屈指の複数のニードル・ワーカーたちによって作成された可能性が高いとされているようです。よくよく見ると、動物や船、建物や樹木、彗星や色々な人物などがたっくさーん描かれているんですよね。完成に至るまで、果たしてどれほどの期間を要したのでしょうか??
 
『バイユーのタペストリー』は、当時の文化や風俗を知る上で貴重な資料として、ユネスコの「世界記憶遺産」に登録(2007年)されているそうです。興味のある方は、ウィキちゃんのギャラリーから作品全編をカラーで見ることができますよ。

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