ブラック・オニキス

昔から、中古の指輪にはかつて使用していた人の想いが宿っているとか言いますが、まだまだ半信半疑な私。石と意志で想いが石に宿るなどと言いますもんね。日本でも、古来より自然の中のあらゆる物に神が宿ると信じられてきたし、「八百万の神(やおよろずのかみ)」の「八百万」とは「多数の、無数の」を意味し、無数の神々が存在しているって言うことですもんね。何が宿っててもおかしくない!?

さて、かつてスコットランドの『オニキス・リング(The Onyx Ring)』というお話を読んだことがあります。1978年に、エディンバラの若い男性がブロートン・ストリート(Broughton Street)のアンティークショップを通り過ぎた時、黒いオニキスの付いた金の指輪が目に留まったそうです。男性はそれがとても気になり、よく見てみると、その石には男の顔がありました。店員は何も知らない様子でしたが、男性はそのリングを購入しました。

1980-91年の冬、その男性がハイストリートにある古い店舗の改修工事を行っていた時、指からリングが抜け落ち、瓦礫の中に消えてしまいました。どんなに探しても見つけられず、そのままになってしまったそうです。そして工事も終わり、半年が過ぎたある朝、店を開けたスタッフが、カーペットの敷かれた床の真ん中に、損傷のないオニキス・リングがあるのを発見しました。戻ってきたと喜んでいたのも束の間、男性は仕事中にまた指輪をなくしてしまいました。この時はスタッフ総出で探しましたが、見つけることは出来ませんでした。その2か月後、スタッフの女性が長椅子の下に指輪を落とし、手を伸ばして拾うと、自分の指輪の他にあのオニキス・リングが出てきたそうです。 1983年、男性は再びリングを失ったそうですが、何だか不気味で今度は探さなかったそうです。

残念ながらこのストーリーに結末がある訳ではなく、リングにあった顔も謎のままです。今もどこかにこのリングが存在しているのかもしれません。以前「神隠し」というタイトルで物が無くなるという似たような話を書いたことがありますが、これもそれ類いの話なのかもしれません。

さて、ブラック・オニキスには、災いや邪念など、悪い事柄を払い除ける強力な効果があるそうです。私が持っているのはリングではなく、小さなクロスのペンダントヘッド。昔、仙台にあった雑貨屋で買いました。中心にある石を換えられるということで、オニキスとタイガーズアイを買ったんですけど、残念ながらオニキスはちょっと緩くて抜けやすいので、もっぱらタイガーズアイを入れてます。石には疎いけれど、20代の頃はよく仕事帰りに、仙台にあった「ストーンマーケット(stone market)」のお店を覗いてました。今もあるのかな?最近なぜか無性に石の付いたリングが欲しくて、ふとオニキス・リングの話を思い出しました。石に呼ばれてるのかも!?

参照;

https://www.witcherytours.com/

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