クライストチャーチ・グレーフライアーズの謎。

ロンドンを歩いていてふと出くわした教会跡。都会のど真ん中にあった朽ち果てた教会と、綺麗に整備されたこのガーデン空間がとても謎だったの。その時は花が咲き乱れ、メモリアル的な空間でもあったし、不思議な世界に迷い込んだような感覚もあって、ものすごく印象に残っていたのよねー。そのまま名前も知らずにいたけれど、これが『クライストチャーチ・グレーフライアーズ(Christ Church Greyfriars) 』という名であることが分かりました。


グレーフライアーズは13世紀からこの土地に修道院を所有していたフランシスコ修道士が、灰色の修道衣を身にまとっていたことに由来するらしい。14世紀、新たに建てられた教会は、当時ロンドンで二番目に大きな教会で、イングランドの王妃を含め、著名人が埋葬された教会でもあったのだそう。最初の破壊の要因は、1666年に起きたロンドン大火。巨大ゴシック様式のこの教会は完全に崩壊したといいます。そして1687年に建て直された教会は元の教会より小さかったようです。ところが『第二のロンドン大火(Second Great Fire of London)』とも言われている1940年12月29日のドイツ軍による空爆によって、ロンドン市内の多くの建物と同様、この教会もほとんどが破壊されてしまったのです。


1940年の空爆後
Source; https://thecitizensmemorial.wordpress.com/2012/05/19/11/
残されたのは塔と壁の一部。これを保護(一部はやむなく取壊している)するため、グレード1にリストされた建物として1950年に塔を修復し、敷地内も整備されました。ちなみにグレード1って何かというと、歴史的価値のある建造物を保護するために改装等を規制する制度があり、リスト分類したものです。

昔の人の祈りと現代人の思いが一体化したような、この美しい空間。そんな歴史を背負った空間だったんですね。謎が解けました。天気のいい日には、ここでランチしている人や一休みしているビジネスマンなども見掛けます。ここのベンチに座っていると心が和むんですよー。

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