幻想生物(コーンウォール編)

自然な穴のあいた石には、妖精、またはピクシーの守護者が宿ると信じられてきました。ということで今回は、特にコーンウォール地方にまつわる幻想生物について調べてみました。イギリスの民間伝承には様々な幻想生物が登場します。例えば、妖精・フェアリー(fairy)は、神話や伝説に登場する超自然的な存在で、さまざまな名前や姿形で異なる地方、異なる民族の伝承に登場します。個人的には、小さくて愛らしいイメージがあるのですが、実際には人間に好意的なものから、妻や夫として振る舞うもの、人にいたずらしたりだましたり、命を奪おうとするもの、障害として立ちはだかるもの、運命を告げるものなど、さまざまな伝承があるそうです。

Source; Wikipedia
1888 illustration by Luis Ricardo Falero
of common modern depiction of a fairy with butterfly wings

ピクシー、ピスキィ(Pixie,Pixies,Piskie);コーンウォールなど南西部諸州の民間伝承に登場する妖精の一種。普段は透明で人間には見えないが、頭に四葉のクローバーを乗せると姿を見られるようになる。見た目はしわの寄った老人のように見え、身長20cmほどの小人で、赤い髪の毛、上に反った鼻をしている。闇でも光る目、青白い顔、尖った耳、苔、草などの天然素材を使用した緑色の服を着、先の尖ったナイトキャップを被っているともいわれている。年配の人や体の弱い人を助けるが、怠け者を見つけるとつねったりポルターガイスト現象を起こして懲らしめるという。また、自身に恵みを与えた者には正しく報いる。いたずらな性質を持つ陽気な生き物で、時には旅行者を迷わせる。それを防ぐ妖精よけの方法は上着を裏返しに着ること。古代の塚やストーン・サークル、洞窟などに住む。洗礼を受けずに死んだ子どもの魂が化身した存在だと言われていて、直接人目につく場所には出て来ないが、人間と様々な点で共生関係にある存在である。 ピクシーの語源は、悪戯好きな妖精のパックに「愛称語尾(‐sy)」がついた「パクシー(Pucksy)」から派生したという説と、小人を現す「ピグミー(Pigmy)」に由来すると言う説がある。

ビースト・オブ・ボドミン・ムーア(Beast of Bodmin Moor);ビースト・オブ・ボドミン・ムーア(コーンウォール語:Best Goon Brenn)は、コーンウォールに住むとされている幻の野生猫。1978年以降、目撃情報が寄せられ、 同じ地域のヒョウのような黒猫とされる猫は、ボドミン・ムーアとして広く知られるようになった。1978 年にプリマス動物園が閉鎖された後、動物トレーナーが 3 匹のピューマを野生に放ったという噂があり、その後の動物の目撃が野獣の噂を引き起こしたと言われている。実際の調査では『大型ネコ科動物』の存在を示す検証可能な証拠は見つからなかったが、その後、10 代の少年が荒野近くのフォウェイ川で大きな牙を持った頭蓋骨を発見している。ロンドン自然史博物館は、これは雄のヒョウの頭骨であったと述べている。

ブラディー・ボーンズ(Bloody Bones);ブラディー・ボーンズは神話上の幽霊のような怪物で、ブギーマンの姿をしている。「ブギー(bogey)」とは、おそらく「恐ろしい幽霊」を意味する中世英語の「bogge/bugge」に由来し、ブギーマン自体は特定の外観がある訳ではなく、家庭や土地によって異なる。「水辺に近づくと、ブラディー・ボーンズがおまえを連れ去ってしまうぞ」というように、大人が子供をしつけるために怖がらせ、良い行動をとらせようとする時に使用する。『ローヘッド(Rawhead)』、『トミー・ローヘッド(Tommy Rawhead)』、または『ローヘッド&ブラッディー・ボーンズ(Rawhead-and-Bloody-Bones)』と呼ばれることもある。伝説では、ブラディー・ボーンズは『グリンディロー(grindylow*)』や『ジェニー・グリーンティース(Jenny Greenteeth*)』のように、深い池、海、古い泥灰地に出没する水の悪魔と見なされることがある。「早く寝ないとお化けが出るよ」的な感じですかね。*今回、これらの説明は割愛します。

ブッカ(Bucca);ブッカは、コーンウォール地方の民間伝承に登場する海の精霊で、嵐の間は、鉱山や沿岸地域に生息する男の半魚人。神話上のこの生き物は、アイルランドのプーカ(Púca)等に関連している可能性が高い水の精の一種。漁師が浜辺で食品(特に魚)を奉納したという記録があることから、キリスト教初期またはそれ以前のブリソン信仰と実践が何らかの形で継承している可能性がある。1611年、コーンウォール語の本「世界の創造(the Creation of the World)」にブッカが言及されており、その語源は古英語の「puca」からコーンウォール語へ取り入れられたものとも言われている。

ジョアン・ザ・ワッド(Joan the Wad);彼女はピクシーの女王であり、通常はコーンウォールやデボンに関連する小さな神話上の生き物である。『ワッド(Wad)』は、点火棒またはわらの束を表す東部コーンウォールの口語用語。ジョアン・ザ・ワッドは裸で描かれることが多く、火と水と関連がある。また、ピクシーズの王であるジャック・オー・ランタンと関係があるとされている。いずれも、荒野で旅人を迷わせるような鬼火とみなされることもある。ただし、ジョアン・ザ・ワッドは、名前にあるようにワッド(トーチ)を使用して、旅人に安全な幸運への道を照らすとも考えられている。 

ノッカー(Knocker);コーンウォールの鉱山に棲むとされる妖精の一種で、その姿は人間の鉱夫の服装をした小さなスプライト(精霊)とされる。

モーガウル(Morgawr);コーンウォールの民間伝承では、コーンウォールの海の巨人を意味するモーガウルは、コーンウォールのファルマス湾近くの海に生息しているとされる海の蛇。伝説によると、この生き物は非常に長い首と「アシカのような」黒または茶色の皮膚を持つ幹を持っているという。地元のサバ漁師は悪天候や不漁は、怪物のようなものの目撃が原因だとしている。民俗学者は、1976 年に目撃されたのち、コンウォール出身の作家がこの生き物をでっち上げ、「モーガウル」という名前を付けたと推測しているが、その後も時折目撃情報がある。

アウルマン(Owlman); 1976年にコーンウォールのモーナン村(Mawnan)で目撃されたと言われるフクロウのような生き物。輝く目と黒いはさみのような爪を持った人間と同じくらいの大きさで、とがった耳を持つ羽の生えた鳥人。ユーラシアのワシミミズクが伝説の源である可能性がある。

プーカ(Púca);プーカは主にケルトの民俗学の生き物で、山や丘の妖精あるいは妖魔の一種。コーンウォール地方では「ブッカ」と呼ばれる。プーカは幸運と不幸の両方をもたらすと考えられ、変身が巧みで、さまざまな恐るべき姿になる。いたずら好きで、旅人を背中に乗るように誘惑し、危険な命がけの旅にしたり、戻ってこれたとしても、旅人は姿を変え、二度と元の姿に戻ることはないという。特に人里離れた田舎などの辺ぴな場所で出会う傾向がある。因みにウィリアム・シェイクスピア作の戯曲『夏の夜の夢』で有名なパック(Puck)は、プーカ(ウェールズ伝承のものを原型)に由来するとされている。

スプリガン(Spriggan);コーンウォール地方に伝わる妖精の一種。子供のような大きな頭を持ち、極めて醜く、ずんぐりしたドワーフの姿をしている。ドワーフは人間より少し背丈の小さい伝説上の種族。民話、神話、童話、ファンタジー作品などに登場することが多い。単に小人と訳されることもある。主にストーン・サークル、古代の砦、人里離れた田舎の家に住み、そこで財宝を守っているとされる。非常に醜く狂暴だが、他の妖精の護衛役も務める。普段は小柄な姿だが、体の大きさを自由に変えることができ、戦う時には巨大化して巨人となることができる。自分の領域に入ってきた人間には危害を与え、また盗みなどの悪さもする。 取替え子(チェンジリング)を行い、嵐をもたらし農作物を枯らすとされている。 古代にコーンウォール地方で暮らしていた、巨人達の幽霊であるとも言われる。

参照;

  • https://en.wikipedia.org/wiki/Category:Cornish_legendary_creatures
  • https://en.wikipedia.org/wiki/Cornish_mythology
  • https://www.penwitheye.co.uk/2017/10/creatures-cornish-folklore-piskies%e2%80%8b-%e2%80%8bspriggans%e2%80%8b-%e2%80%8band%e2%80%8b-knockers/
  • https://www.bing.com/newtabredir?url=https%3A%2F%2Fen.wikipedia.org%2Fwiki%2FCategory%3ACornish_legendary_creatures

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