満天の星。

東日本大震災から10年。たくさんの人の様々な思いが詰まった3月11日。今は皆、コロナで大変ですけど、当時まだ仙台にいた私にとっても、やはり忘れることは出来ない出来事です。仙台中心部にあった職場から家へ歩いて帰る途中、叔父と祖母の住むマンションに立ち寄りました。そのため、安全を確認して私が再び家へ向かって歩き出す頃には日も暮れていました。家路に向かう人の数も減り、なるべく人の近くを歩いていましたが、一人二人と減っていき、たまに通り過ぎる車のライト以外、街灯も建物から漏れる光もありませんでした。ふと空を見上げると澄んだ空に今までに見たことのない綺麗な満天の星が輝いていて思わず立ち止まりました。いつもはネオンにかき消されているけれど、本当の夜空はこんなに綺麗なんだなぁと。

津波が来るとのニュースは知っていましたが、その頃、海岸全域で起きている大惨事など知る由もなく、ただただ不安を覚えながら無心で歩きました。広い通りから外れ、真っ暗闇の住宅街に入ると、完全に一人ぽっちになりました。時折、余震の地鳴りのような音が聞こえ、電線が揺れている気配を感じながら、まるで地球上から人間がいなくなったかのように通り過ぎる家々からは人の気配すら感じられず、静寂の中をただ足早に家へ向かって歩きました。

この時期になると、ネットでも当時の記事をたくさん目にしますが、読むとどうしても当時抱いた感情、そして様々な人たちの思いと共に涙がこみ上げてきます。幸い私は内陸に住んでいて助かった。なので、敢えていろいろな人の体験談を読むようにしています。そして皮肉にも多くの命が失われた日に一番美しかった満天の星をいつもこの時期になると思い出すのです。

Thank you for your support & R.I.P.

2011.03.11 地震後の仙台

コメント