かわうそどん。

胴体は細長く、水かきをもった四肢は短い。肉食性でザリガニ、カエル、魚などを捕まえて食べ、水中でも陸上でも活動する。という「かわうそ」。見た目は愛らしいですよね。同じイタチ科なのでラッコと似てるけど、ラッコは海で生活し、肉食性で貝類、甲殻類、ウニ類などを食べるのだそうです。

Source; Wikipedia
Bernard Landgraf / CC BY-SA
(http://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0/)

日本の昔話に『きつねとかわうそ』というお話があります。それは、お互いにごちそうし合おうと約束し、かわうそどんはキツネどんに魚をたくさんごちそうするんですね。ところがきつねどんは毎回何も出さずにごまかしてばかり。さすがのかわうそどんも堪忍袋の緒が切れて、きつねどんにインチキな魚の釣り方を教えて懲らしめたというお話。ここでは良心のあるかわうそどんですが、日本の伝承では、キツネやタヌキと同様に人を化かすとされていて、そういう物語が多く残っているんですね。日本には「二ホンカワウソ(日本川獺)」が全国に広く棲息していたことで知られていますが、残念ながら2012年に絶滅種に認定されたそうです。また、『獺祭魚(だっさいぎょ)』という言葉もありました。これは、カワウソが自分でとった魚を並べる様になぞらえて、捕らえた魚を供物に並べ先祖を祭る様を言うのだそうです。余談ですが、調べていたら旭酒造さんで造られている『獺祭』という日本酒もでてきました。

さて、「かわうそ」は英語で『オッター(otter)』と言いますが、これは古英語の『otor』あるいは『oter』に由来するそうです。さらに元を辿っていくとインド・ヨーロッパ祖語(Proto-Indo-European)系の原語『wódr』に由来し、実は英語で水を意味する「ウォーター(Water)」と祖語の同じ単語から派生したものなのだそうです。今、イギリスの川の名前の由来を調べているんですが、そんな話が出て来てふと面白いなと思ったのでした。イギリスでも有機塩素農薬の使用等により一時期カワウソの数が減ったそうですが、使用を中止して以降、再び棲息が確認されるようになったようです。

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