ぱんけーき。

今年は来週火曜日(25日)が『パンケーキの日(Pancake Day/ Shrove Tuesday )』。日本では「アイスクリームの日(5月9日)」とか「ケーキの日(1月6日)」とか販売促進のために設けられた日が驚くほどたくさんあるけれど、この『パンケーキ・デイ』は四旬節の初日である灰の水曜日の前日と定められた、れっきとしたキリスト教にまつわる日なのです。なんのこっちゃって感じですが、要するにキリスト復活の46日前の水曜日を「灰の水曜日」と呼び、復活祭の前日までを『四旬節(しじゅんせつ)』と言います。この四旬節の間は断食期間となり、厳密には質素な食事を取る、つまり肉、魚、乳製品、卵を取らない期間なんですね。
 

告解の火曜日(Shrove Tuesday)とも呼ばれるように、本来は四旬節の前日に、これまでの罪を悔い改め、四旬節前の最後の食事を祝うという神聖な日だったのでしょうけれど、キリスト教信者が、(もったいないから)四旬節の前に戸棚に残ってる卵や牛乳などを消費しちゃいましょうということで、パンケーキを作ったのが始まりとも言われています。キリスト教に関する細かなことはさておき、美味しいパンケーキを食べる日だけは伝統として残った訳なんですね。実際にイングランドでは伝統行事として「パンケーキ・レース」というものが行われていたりします。私は実際見たことありませんけど、ある主婦がパンケーキ作りに忙しくて教会の鐘を鳴らし忘れそうになり、フライパンにパンケーキをのせたまま教会まで駆けていったことに由来するのだとか。なんだかサザエさんみたい。いつでもどこでも美味しいもの、楽しいもの、面白いものは残るんですね。

とはいえ、パンケーキ自体の歴史はものすごく古い。古代から色々なところでその記録が残されています。例えば、古代ギリシャの詩人クラティヌス(Cratinus: Κρατῖνος; 519BC-422BC)は詩の中でパンケーキについて書いていますし、有名なシェークスピアも言及しているのです。ルネサンス期イングランドで食されたパンケーキは、スパイス、ローズウォーター、シェリー酒、リンゴなどで味付けされていたのだとか。

今や本来の意味も薄れ、スーパーでは水を足してシェイク、シェイクして焼くだけ~というプラスティックのボトルに入ったパンケーキミックスまでもが売られていますけど、何もかもが「簡単&楽ちん」になって味気ない気がする。。。材料揃える手間も省けていいんだけどね、いいんだけど、それほど面倒なものでもないし、個人的には普通に材料そろえて、というか揃っている時に作ります。その方が何となく生活の暖かみを感じるというか、食のありがたみが感じるられ気がする。イングリッシュ・ヘリテイジが紹介するパンケーキはいかが?

 
さて、先々週末のストーム・キアラ(Storm Ciara)でやられた我が家のキッチンの屋根。まぁ、老朽化していたんですが、雨漏りがしてきたので修理を依頼しました。幸い、先週末のストーム・デニス(Storm Dennis)の到達直前に修理完了。ということで安心して、今日は地元のカフェでブランチ。パンケーキを食べました。前に日本でふわふわパンケーキとか話題になっていましたよね。それとは異なり、イギリスのパンケーキは薄めです。今日はかりかりベーコンとシロップで。



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