カウ・タワー
カウ・タワー(Cow Tower)は1398~1399年にかけ、ノリッジ(Norwich, Norfolk)のウェンサム川(River Wensum)沿いに再建された大砲塔です。ノリッジは14世紀後半、様々な職人を多く引き付け、特にウール貿易の主要な場所となりました。ノリッジには2本の川(River Wensum / River Yare)が流れており、どちらも強力な貿易輸出ルートとして成長を支えてきた訳です。当時、ノリッジは人口は約5,500人、イギリス最大の都市の一つでした。
ノリッジには1297~1350年頃に防御的な市壁と堀が造られています。いずれも「国際貿易で成功してる大都市なんだよん」と自ら地位を外部へ印象付けるだけでなく、当然、侵略などから都市を守ることが目的でした。1380年代以降、イングランド全土でフランスからの襲撃という脅威が高まったことから、ノリッジはさらに防御を固めました。このカウ・タワーはその一つ。北東からの攻撃から都市を守るために建設されたものです。
さて、このカウ・タワー、建っているこの場所がカウホルム(Cowholme)と呼ばれる牧草地の北東角にあることから、のちにそう呼ばれるようになったようです。もともとは「ダンジョン(Dungeon)」だとか、セント・ジャイルズ・ホスピタル(St Giles Hospital)と呼ばれた中世の病院の敷地にあったことから「ホスピタル・メドウにあるタワー(tower in the Hospital meadows)」などと呼ばれていたそうです。ちなみにカウ・ホルム(Cow Holme)とは「湿地牧野(water meadow)や平地(flat ground)」を意味する古デイニッシュ語に由来しているそうだ。牛が放牧されていた牧草地だったのかもね。
タワー自体は3階建て、石とレンガを使用した石造建築物です。レンガはノーフォークにあるセントベネット修道院(St Benet's Abbey)で作られ、石はノーリッチ南部のチョークピットから来ていると言われています。完成までに3000個ものレンガが川から運ばれたのだとか。タワーは高さ約15m、直径約11m、壁の厚さは約1.8mで、上が先細りになった建物です。火薬大砲を収容するように設計されており、要塞を装いながら、実はちょっと豪華に建てられた特殊な建物と言われています。なぜなら内部は守備隊を置けるように設計され、3階全てに暖炉、室内トイレさえもあったそうです。また食事と睡眠は異なるフロアを使用していた可能性もあるそうで、そう考えると確かにあまり砦っぽくない。一階の壁にはギザギザの彫りが確認できますが、これが何であったかは不明だそうです。おそらくレンガを支える木材がはめ込まれていたか、後に加えられた弾薬庫跡の何かだと考えられているようです。
さて、時が流れ、20世紀の終わりになると川沿いの散歩道が作られ、カウ・タワーへのアクセスが可能になりました。それまでは孤立し、対岸からタワーを眺められるだけだったそうです。現在、タワーの中には入れませんけど見るのは無料。イングリッシュ・ヘリテイジ及びカウンシルによって管理されています。
ちみに、タワーの近くにあった木の上には可愛らしい鳥小屋がありました。
ノリッジには1297~1350年頃に防御的な市壁と堀が造られています。いずれも「国際貿易で成功してる大都市なんだよん」と自ら地位を外部へ印象付けるだけでなく、当然、侵略などから都市を守ることが目的でした。1380年代以降、イングランド全土でフランスからの襲撃という脅威が高まったことから、ノリッジはさらに防御を固めました。このカウ・タワーはその一つ。北東からの攻撃から都市を守るために建設されたものです。
さて、このカウ・タワー、建っているこの場所がカウホルム(Cowholme)と呼ばれる牧草地の北東角にあることから、のちにそう呼ばれるようになったようです。もともとは「ダンジョン(Dungeon)」だとか、セント・ジャイルズ・ホスピタル(St Giles Hospital)と呼ばれた中世の病院の敷地にあったことから「ホスピタル・メドウにあるタワー(tower in the Hospital meadows)」などと呼ばれていたそうです。ちなみにカウ・ホルム(Cow Holme)とは「湿地牧野(water meadow)や平地(flat ground)」を意味する古デイニッシュ語に由来しているそうだ。牛が放牧されていた牧草地だったのかもね。
Source; Wikipedia 平面図: (左から)1階、2階、3階 |
川沿いの散歩道。左にみえているのが大聖堂。 |
ちみに、タワーの近くにあった木の上には可愛らしい鳥小屋がありました。
川辺には春の訪れを告げるスノードロップス。春も近いということだね。
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