司祭の隠れ場所。

たまたまYouTubeで『天草四郎』に関する歴史を見ていたんですがね、仙台っ子の私にとって九州の歴史は馴染みが薄く、授業で習った程度であまり詳しい事は知らなかったんですよね。そんなキリシタン迫害の歴史に触れていたら、たまたまガイ・フォークス・デイがやって来て、それに関連してハディントン・コートを調べていたら、たまたま家の中に「司祭の隠れ穴(a priest hole)」というのが2つあると書いてありました。これは何かというとイングランドの法律によりカトリック教徒が迫害を受けた時代に司祭が身を潜めた秘密の隠れ場所のことです。
 
そう言えば、どこかで実物を見たことがあるぞ。はて?どこだっただろうか?そう考えていて思い出しました。それは、以前訪れたインゲィトストーン・ホール(Ingatestone Hall)。インゲィトストーン・ホールはチューダー朝時代の国務長官ウィリアム・ピーター(Sir William Petre; c.1505-1572)という人物によって建てられ、今も彼の子孫が住んでいるという16世紀のマナーハウスです。現在、建物の一部とガーデンが一般公開されています。

Ingatestone Hall

通常、「司祭の隠れ穴」というものは、暖炉の裏など、全く動き回る余地などない程狭い場所でした。追跡者は屋内外の足跡を調べたり、建物の内側と外側から窓の数を確認したり、壁を叩いて空洞かどうかを調べたり、床板を壊したりして念入りに探しました。そのため司祭は必要に応じてそこでじっと息を潜めていなければならなかったのです。もちろんトイレなんかありません。中には飢えや酸欠で死亡した例もあったそうです。一旦、捕らえられると投獄され、拷問され、死に至ったといいます。

司祭の隠れ穴;『Ingatestone Hall』のガイドブックより

迫害とは弱い立場の者などを追い詰めて苦しめること。すごく嫌な言葉ですね。学生の頃、遠藤周作の『沈黙』を読みました。これも島原の乱の頃のお話?だったと思います。気が滅入るような重ーい重ーいお話でした。それでもすごい作品だなと思った記憶があります。数年前にマーティン・スコセッシ監督により『Silence』として映画化されましたが、この流れでちょっと見てみたいかな。。。日本でキリシタンというと個人的には長崎などあちらのイメージが強いんですが、仙台でもキリシタン迫害がありました。ポルトガル人宣教師と8人の信徒が、広瀬川河畔の水牢で2月の冷たい水に沈められて殉教したと言います。どの世界にも宗教的信念は争いの原因になることが多く、生か死に関わる問題であることも多かったんですね。確か『仙台キリシタン殉教碑』があったはず。今度仙台に帰ったら広瀬川を散策してみようかな。

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