悪魔の石。
ヨークシャーにあるコップグローブ(Copgrove, Yorkshire)という村には謎の石が存在するそうです。それは村の教会(St Michael’s church)にある『悪魔の石(The Devil’s Stone)』と呼ばれるもの。教会のリーフレットには「…悪魔の石として知られている…おそらくローマン・ブリテン時代を起源とする古代の偉大な遺跡である」と、石に関する短い説明が含まれているそうです。とは言え、詳細は不明。
この『悪魔の石』には、頭と胴体がアンバランスな生き物の輪郭を描いたレリーフ彫刻があります。実際は肉眼で判断するのが難しい程かなりすり減っているそうですが、まるでドクロやエイリアンみたい。右手のラケットみたいなボールみたいなのは何を意味するのだろう?左足が前後に折り曲がっているようにも見えるし、悪魔のしっぽという説もある。また、シーラ・ナ・ギグ(Sheela na Gig)に関連していて、男性または女性を表しているという説もあるようです。そう言われてみると、確かにそんな感じもします。魔除け的な意味があったのでしょうか?
これがなぜ『悪魔の石』と呼ばれているかというと、詳細は分かりませんが、かつて「村の教会の北側は悪魔の所有物」というような迷信があったそうで、その迷信に関係がありそうです。かつてこの石は外壁にあったそうですが、保護するため内部へ移されていて、現在は身廊南側の壁にあるのだとか。19世紀の修復の際には、教会北側の内陣の壁にあったとの噂もあるようなので、この石自体が呪われているとかそういうことではなく、悪魔の所有物とされた北側の壁にあったことに由来しているのかなと思います。
また、石の左上には、アルファベットTの字のようなものが確認できます。これは後で追加された可能性もあるそうですが、ヘブライ文字とギリシャ文字の『T(タウ)』を指していることから『タウ十字(Tau cross)』と呼ばれるもの(あるいは斧?)ではないかと考えられています。このタウ十字というのは、一番古い十字の一つとして知られており、テンプル騎士団にも関係があるかもしれないとされています。ですが、いずれの説も判断するのは難しく、断定までは至らない『謎の石』とされています。
参照;
- Mysterious Britain, Homer Sykes, Country Series
- https://www.mjwayland.com/copgrove-mysteries/
- https://sheelanagig.org/copgrove/
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