ジョーン・エイケン

ジョーン・エイケン(Joan Aiken)は、私の好きなイギリスの児童文学作家の一人です。といっても彼女の作品を色々読んだわけではありませんが。学生時代に出会った英語の本『Arabel's Raven』がお気に入りなんです。イラストもクェンティン・ブレイクですしね。シリーズ本らしいんで他の作品も読んでみたいなと思っています。この本は自分で翻訳もしてみました。言葉使いが子ども向けになっていないですけどね(苦笑)。個人的に児童文学の翻訳は苦手かも。。。

Source; Wikipedia
By LizzaAiken - www.joanaiken.com, Public Domain,
 https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=10381083


アラベルのからす(i-ADNES訳)抜粋
3月の嵐の夜、つい今しがた、エベニーザー・ジョーンズという名の上品なタクシードライバーが夜遅く、ランベリータウンとして知られるロンドンの寂びれた陰気な場所を、家へ向かって車を走らせていました。ジョーンズ氏がランベリー・ウェイストという長くて人気のない地域を通っていると、前方に大きくて、黒く、直立したものを発見しました。それは石炭用バケツより小さく、1リットルのサイダービンより大きくて、道路をゆっくりと横断していました。
その物体に20ヤード以内まで近づいた時、後ろに人を乗せたオートバイが猛スピードで通過し、無謀にも割り込んできたのです。ジョーンズ氏は急ブレーキをかけ、バックミラーを見ました。再び前方に目を向けると、オートバイが通った際にはねたに違いない直立した物体は、今は仰向けに、タクシーの前輪のすぐ先に倒れていました。
彼はタクシーを止めて思いました。「私がバカだと言わない訳じゃないが、町のこの辺りでは放っておいても十分だろう。でも止まって確かめずにはいられない。」
ジョーンズ氏はタクシーを降りました。
道路で見つけたものは、全長約2フィート、くちばしのまわりにひげを生やした大きな黒い鳥だったのです。その鳥は死んでいると思いましたが、近づいてみると、かすかに目を開き、そしてまた目を閉じました。
「可哀相に、気絶しているのだろう。」ジョーンズ氏は思いました。
今朝のハックニー・ドライバーズ・ヘラルド新聞の星占いで、彼の星座は『あなたの運転の技術しだいで、今日、1つの命が救われる』と書かれてありました。ジョーンズ氏は家へ帰るまでずっと気になっていました。これまで、少なくとも彼が知っている限り、周囲を見ずに無謀に道路を横断する歩行者を避けた以外、まだ1つの命も救っていなかったのです。ジョーンズ氏は「これが私の救った命だ。」と思いました。

ジョーン・エイケンの情報がいっぱい詰まったHPはこちら→http://www.joanaiken.com/
アラベルのストーリーはBBCでも放映されたみたいですね。

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